本と映画と政治の批評
by thessalonike
カテゴリ
INDEX
『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)
『アフターダーク』 (8)
『グッドラック』 (5)
『いま、会いにゆきます』 (5)
『ハウルの動く城』 (8)
『ブラザーフッド』 (6)
『シルミド』 (5)
『スキャンダル』 (4)
『グッバイ、レーニン!』
『ピアニスト』 (4)
『特別な一日』 (2)
ジュンク堂書店新宿店
丸の内オアゾの丸善本店
ライブドア問題考 (2)
球界再編 ・ 岩隈移籍考(10)
プロ野球関連 (5)
読売巨人軍考 (7)
米大統領選考ほか(5)
テロ ・ イラク戦争 (3)
憲法 ・ 改憲 ・ 平和 (7)
竹島問題・日韓関係 (8)
北朝鮮問題考 (10)
中国の反日デモ (10)
東京裁判 ・ 南京事件 (10)
歴史認識 (7)
靖国問題 (10)
郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)
郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅰ (15)
郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)
プロフィール ・ その他

access countベキコ
since 2004.9.1



堀江貴文がテレビに出続ける理由 - 教祖と信者の構図
b0018539_15135499.jpg堀江貴文の本当の狙いは何なのだろうか。それは彼があのように頻繁にテレビに出演している理由について考えると透けて見えてくるように思われる。堀江貴文が株の買収でフジテレビを資本傘下に入れて、テレビ局のリーチでライブドアポータルへの集客を飛躍的に伸ばし、アクセス数でヤフーを凌ぐポータルベンダーになろうとする戦略は確かに分かりやすい。けれども、もし単にフジテレビの乗っ取り(企業支配)だけが目的ならば、あのように激しく毎日テレビに露出して、そこでペラペラと大衆相手に喋りまくる必要はないはずだ。この点は榊原英資も指摘していたことであり、また北尾吉孝も言っていたことである。株取引やM&Aで飯を食っている者は、人前で唇を動かしてはいけないのであり、新聞や雑誌やテレビの人間に追いかけられてマイクを向けられる立場に立ってはいけないのである。



b0018539_15143762.jpgその典型例がこの騒動の主要な登場人物の一人である村上世彰で、この機関投資家はテレビカメラや新聞記者の前では絶対に口を閉ざす。常に逃げる。カメラの追跡から必死の形相で逃亡する姿ばかりが映像に出てくる。これが懼く、株屋や乗っ取り屋を生業とする者の当然で標準的な姿であるのだろう。天下を前にした得意満面の自慢話は、買収戦や仕手戦で勝利した後に吹聴するものなのであって、マネーゲームを仕掛けている最中に濫(みだ)りにやるものではない。無益な多弁は禁物で、沈黙こそが金なのである。それがこの世界の前提だ。ところが堀江貴文は、業界の慣行を無視して掟破りの法螺吹き役者を演じ続け、大衆の関心と視線を集め続けている。これには理由がある。堀江貴文が非常識だというわけではない。堀江貴文にはテレビに出続ける必要があるのであり、テレビで顔を売れば売るほど利益になる企業戦略と事業構図があるのだ。

b0018539_1515544.jpgそれは何か。そこには堀江貴文の言わばグランド・ストラテジーがある。単にフジテレビの保有資産やライブドアのポータルカスタマベースではなく、もっと窮極の獲得目標がある。それはライブドアの株を買って保有するライブドア信者の獲得である。信者=小口株主。堀江貴文の狙いはそこにあるのだ。堀江貴文がテレビに出て説教をするのは、信者を増やし、信者を洗脳し、信者をコンビンスするためである。ライブドア株のセールスをしているのであり、ライブドア株を保有すれば金持ちになれるとエバンジェライズしているのである。すなわち堀江貴文のテレビ出演漬けは、単に自己顕示を動機とした衝動的なものではなくて、堀江信者(ライブドア株の小口保有者)を増やすことを目的とした宗教事業の論理に基づいた合理的な行為なのである。テレビに出れば株が売れるのだ。

b0018539_15152074.jpg現在、ライブドア株保有者は16万人いると言われている。これが多いのか少ないのかよく分からない。かつてITバブルが崩壊する前後まで、一般の日本人が個人で株式を購入して保有する銘柄と言えばソニー株だった。エクセレントカンパニーで値下がりしない優良株の代表格。バブルの頃は老いも若きもNTT株に飛びついた。ライブドア信者の主力は、ひょっとしたら、NTT株で痛い思いをし、またソニー株の下落でそれを手放した株好きな団塊の世代ではないのかと思うことがある。ライブドア株の値上がりを期待しているのであり、株式分割による資産倍増を渇望して教祖の堀江貴文を拝み、堀江貴文の一挙手一投足に歓声を上げ、堀江貴文の敵を呪詛して罵声を浴びせかけているのではないか。ネットの中には「ライブドア信者」という言葉がある。この言葉には簡単に無視できないリアリティがある。

b0018539_15153238.jpg無意味な罵倒語として見逃せない。堀江貴文はテレビに出演して、会社の名前を売り、株式を売り、信者を増やそうとしているのだ。そう考えれば連日のテレビ出演ラッシュについて説明がつく。ライブドア株を買う人間が増えれば増えるほど株価は上がる。会社の総資産総資本額が増え、より大規模な仕手戦と買収戦をマーケットで仕掛けて行くことができる。ライブドアの商品はITではない。ライブドア株そのものなのだ。そしてバファローズ買収劇やニッポン放送買収劇などといった企業買収行動そのものが、ライブドアの言わば「新商品」なのだ。ソニーにとっての8ミリビデオやウォークマンなのである。投資をしているのであり、販売(投資回収)のためにテレビ出演(販促活動)をしているのである。教祖のテレビ出演が途絶えれば信者は不安になる。そして仕手戦の敗北は、アンシャンレジームの反動による受難という意味づけでなければならない。すなわち、事業の失敗ではなく受難であれば、また再起が可能であるからだ。
b0018539_15154572.jpg

乙部綾子の旅立ちの時とライブドア問題の今後の展開
[PR]
by thessalonike | 2005-04-03 23:38 | ライブドア問題考 (2)   INDEX  
<< 楽天イーグルスの欺瞞 - 歴史... Indexに戻る 乙部綾子の旅立ちの時とライブド... >>