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中国における対日重視 - 王毅、唐家旋、江沢民、鄧小平
b0018539_825788.jpg「靖国」で対応要求 唐国務委員が見解

【北京12日共同】中国の前外相で対日外交政策の事実上の責任者である唐家旋国務委員は12日、中国での反日デモで揺れる日中関係について「肝心な問題は靖国(神社参拝)問題だ。関係改善にはこの問題は避けて通れない」と述べ、日本政府が首相の参拝中止など適切な対応を取るよう求めた。日中間の最大の懸案の一つとして東シナ海のガス田試掘問題を挙げ、日本が民間業者に試掘を許せば「問題が根本的に変化する」と強く警告した。ただ対日重視に基本的な変化はないとした。共同通信の山内豊彦社長との会見で述べた。先週末の反日デモ発生後、中国政府高官が日中関係全般について見解を述べたのは初めて。中国側が東シナ海のガス田試掘に、これほど強く警告したことはなかった。
[ 04月12日 21時38分 ]




b0018539_7455285.jpg記事にあるように国務委員の唐家旋は中国政府の外交を統括するトップである。日本語が堪能で、外相の前は駐日大使だった。唐家旋の日本語を覚えている者も少なくないと思うが、その辺りの若い日本人よりもはるかに水準の高い完璧な日本語を話していた。中国の現在の党と政府の指導体制がどのような序列構成になっているのか不明だが、私の見たところでは唐家旋は恐らく胡錦濤よりも上だ。内政には権限を持っていないが、江沢民の下で事実上の序列No.2ではないか。江沢民が死ねば胡錦濤が全ての権力を掌握するのかも知れないが、江沢民が生きている間は、ポストは無役であっても江沢民が全権を握っている。その下に唐家旋がいて外交を差配し、その下に胡錦濤がいるのに違いない。現在の江沢民は嘗ての鄧小平と同じような責任のない超然的な権力的位置にあり、鄧小平が胡耀邦と趙紫陽の二人を自分の下で使ったように、江沢民は胡錦濤と唐家旋の二人を使って政治をしているように見える。

b0018539_746456.jpg首相の温家宝や外相の李肇星は、見た目にもかなり格下の存在であり、政策の決定は唐家旋と江沢民がやっている。唐家旋は日本大使時代は有能な官僚というイメージだったが、外相を務めた後半からすっかり大型の政治家に化けた。唐家旋が自分の後継者として据えているのは、これも誰が見ても分かるが、現在駐日大使である王毅で、王毅はそれほど遠くない時期に外相に就任するのは確実であり、さらに胡錦濤後の国家主席に抜擢される可能性も十分にある。中国の政界を見渡したとき、大型の政治家と言えば、江沢民と唐家旋と朱鎔基の三人しか見当たらず、このうち朱鎔基は江沢民との長年の権力闘争に敗れて完全に政治の実権を失った。江沢民の人脈で党と政府を完全に固めた現在、朱鎔基の復活は難しいだろう。唐家旋は江沢民に抜擢された男であり、権力への野心はない。話が反日デモから脱線するが、こうして中国の指導部の顔ぶれを見ただけでも、中国の日本重視が並々ならぬものであることが窺える。

b0018539_7461731.jpg江沢民も(堪能ではないが)日本語ができる。王毅も日本語ができる。江沢民は英語とロシア語と日本語ができる。中国では日本語ができない人間でなければ国家権力の中枢には近づけない。外相の李肇星も、首相の温家宝も、そして国家主席の胡錦濤も英語はできる。胡錦濤の英語は堪能である。が、英語はできるが日本語はできない。両方が要るのだ。日本語重視、日本重視。これは恐らく鄧小平の指示であり、党中央への遺訓なのに違いない。王毅は半年前まで外務次官で、あの桧舞台である六カ国協議のホストをやっていた男である。日本大使になって赴任した報を聞いて驚いた。普通に見れば外務次官が大使になるのは降格だからだ。だが、中国の並々ならぬ対日重視は、中国の切り札であるこの男を大使として東京に派遣した。日中が難局にあるからであり、王毅の実力を日中関係改善に注がせようとしたのであり、また別の意味で言えば、日本大使は中国の権力者に上る階梯の必須の要職なのである。

b0018539_7462928.jpg今回の反日デモは唐家旋と江沢民の政治であり、二人の意思決定であると私は見る。小泉首相の靖国神社参拝と日本の右傾化は、対日重視の中国としては、対日重視政策でここまで来たからこそ、絶対に許容できない国家の非常事態であり、矯正と原状回復が必要な問題なのだろう。中華人民共和国の原点は抗日解放にある。そこが言わばピルグリムファーザーズの建国神話であり、国家の出発点である。そして現在の中国があるのは周恩来の日中友好と鄧小平の改革開放による。経済建設は鄧小平が日本と組んで、日本と二人三脚でここまでの国にした。北京へ行くと実感することだが、そこには鄧小平が生きている。鄧小平の意志の下に国家が運営されていることが天安門広場を歩いただけでよく分かる。鄧小平がパートナーとした日本は平和憲法の下で技術立国となった日本であり、右翼国家主義が支配する驕慢な日本ではなかった。鄧小平は中国共産党の革命家でもあり抗日解放の闘士でもあった。唐家旋も江沢民も鄧小平を見ているのである。

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by thessalonike | 2005-04-15 23:30 | 中国の反日デモ (10)   INDEX  
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