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本と映画と政治の批評
by thessalonike

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右傾化日本を包囲する反日デモ - 次は台湾、シンガポールへ
右傾化日本を包囲する反日デモ - 次は台湾、シンガポールへ_b0018539_16564194.jpg18日、東証株価が全面安の展開となって、年初来最安値をつける異常な事態を迎えた。資本主義経済の生理はこのように忌憚なく政治の失敗を批判する。今回の反日デモが両国経済に与える深刻な影響については、すでに専門家から分析と予想が出されているが、例えば同じ2%のマイナス成長と言っても、7%の成長率が5%になる中国と、1%の成長率がマイナス1%になる日本では深刻さの意味が全く異なる。早急に政治が問題を解決しなければならない。この場合、政治的決着は、日本が中国に対して首相および閣僚の靖国参拝中止を明言することと、問題の責任をとって小泉内閣が総辞職する以外にない。日本にとってはドラスティックな方向転換だが、タカ派にとっては屈辱的な外交であっても、他に有効な解決の方法はない。小泉政権は潔く即時退陣を決断すべきであり、日本外交の機軸を名実共に「村山談話」の路線に再定置するべきである。



右傾化日本を包囲する反日デモ - 次は台湾、シンガポールへ_b0018539_1657769.jpg反日デモの政治によって中国は日本の市場と技術移転を失う。これは中国の産業と経済にとって大きなマイナスだが、現在の中国の製造業の競争力は、日本に代替する新規の市場を海外に開拓するのにそれほど困難を要するとは思えない。具体的に挙げれば、成長著しいロシアとインドの中間層が、喪失した日本市場のボリュームをカバーできる。世界の工場としての中国の地位は簡単に揺らぐことはないだろうし、現在の成長率を維持している間は、欧米からの投資が減少するとは考えにくい。欧米の資本にとっては日本企業という競争相手が自ら撤退して道を譲ってくれるわけで、これほど好都合な機会はないと言える。消費財にせよ生産財にせよ、中国市場が本格的な自由化と成熟化を遂げるのはこれからで、中国をめぐる多国籍企業間の競争はこれからが勝負である。この時期のボイコットは日本企業の経営戦略を痛打する打撃だろう。

右傾化日本を包囲する反日デモ - 次は台湾、シンガポールへ_b0018539_16571672.jpg16日の上海の反日デモの映像に驚き、北京での外相会談を固唾を呑んで見守っていた17日の夜、実はブログで今週にも予想を書こうかと思っていた出来事が二つ、思っていたよりも早く現実のものとなって、ニュースがネットの中を駆け巡った。それは香港の反日デモとハノイの反日デモの報である。香港は現在は中国の一部だが、長い英国統治領の歴史があり、一国二制の原則の下で言論の自由がある。香港で反日デモが発生するのは歴史上初の事件であり、日本政府と日本国民はこの事実を安易に見過ごすことはできない。事態は深刻である。「中国を国際的に包囲する」などと意気盛んに吠えている日本のネット右翼は、この事態をどう見るのか。韓国、中国、香港、ベトナム。冷静に現実を直視すれば、今回の反日デモはすでに3カ国20都市以上に広がっている。国際的な包囲網の中で孤立化しつつあるのは、実は右傾化日本の方ではないのか。

右傾化日本を包囲する反日デモ - 次は台湾、シンガポールへ_b0018539_16572964.jpg知性劣弱な日本のネット右翼は、ほんの三週間前までは、韓国と盧武鉉大統領を標的に集中攻撃し、あらん限りの侮蔑と罵倒の言葉を掲示板とブログに吐き散らかし、驕慢で凶暴な政治心理を自己満足させて喜んでいた。世界中の悪の根源が韓国にあるかのように喚いていたのである。今はそれを忘れたかのように、中国こそが世界の悪魔だと怒号の集中砲火を浴びせている。反日デモの次の展開を予測しよう。香港、ベトナムの次に反日デモが起きるのは懼くシンガポールである。マレーシアの華僑も同調連携する。そして台湾でも必ず反日デモに呼応する動きが出る。米国のサンフランシスコでもデモは起きる。世界中の華僑が反日で結束して行動する。世界に反日包囲網が出来上がる。8月15日に向けて各地で抗議行動が頻発し、日本の国連常任理事国入りを阻む民衆レベルの国際的圧力となる。第二次世界大戦六十周年は反日の年となる。

右傾化日本を包囲する反日デモ - 次は台湾、シンガポールへ_b0018539_16573867.jpgASEANに反日が飛び火したら日本は終わりだ。四面楚歌となる。事態の打開は総理大臣の靖国参拝停止宣言しかない。小泉首相が終戦の日の靖国参拝を公言したのは、四年前の総裁選で橋本龍太郎から遺族会の票を強奪するための苦肉の策であり、票目当ての人気取りの政治公約だった。右翼はこのポピュリズムの政治を大歓迎したが、外務省には苦難の日々が待ち受けていて、右翼と中国の間で板挟みとなって立ち往生する四年間が続いた。その間に、国民も自己洗脳して右翼にシフトし、NHKも右翼にシフトし、国内の右翼化が完全に固まって元に戻る可能性を失ったとき、韓国と中国がようやく右翼日本に挑戦の声を上げて立ち上がった。ネット右翼が、昔は中国は靖国参拝を問題にしなかったとよく言うが、その当時は韓国や中国が外から文句を言わなくても、国内に右傾化を批判し抑制する左派勢力が存在したのである。今はそれが消え、韓国や中国が批判勢力を機能代行してくれているに過ぎないのだ。

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by thessalonike | 2005-04-22 23:30 | 中国の反日デモ (10)   INDEX  
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