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本と映画と政治の批評
by thessalonike

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憲法9条を守る政治戦略 - 唯一の隘路としての護憲新党
憲法9条を守る政治戦略 - 唯一の隘路としての護憲新党_b0018539_12461278.jpg改憲は平和裏には行われない。改憲は謀略テロ戦争を契機にして発議され実行される。その時期は日本と米国の一握りの権力者が極秘裏に決める。謀略を承知しているのは謀略を企画し裁可したわずかな人間だけで、自民党の多数を含め、マスコミも一切真実を知らされない。今、この瞬間に「北朝鮮のテロ」が発生しても決して不思議ではなく、そして護憲勢力は国会の議席数で三分の一をはるかに下回っていて、9条改正の発議が自公民で行われた場合は阻止することは不可能である。「9条の会」のような草の根の護憲運動が真剣味を帯びて全国で広がっているのは、議会のディフェンスが破られ、あとは国民投票で改憲を阻止する以外に方法がなくなったからである。だが、テロが起きて国内が戦時下の状況になれば、国民投票での改憲票過半数阻止もきわめて困難な情勢となる。改憲派は圧倒的多数での勝利、少なくとも七割から八割の賛成票で勝利を確定しようとするだろう。



憲法9条を守る政治戦略 - 唯一の隘路としての護憲新党_b0018539_16235016.jpg前回の総選挙は一年半前の03年11月に行われたが、護憲政党は一つに纏まって選挙戦を戦おうとしなかった。後で歴史を振り返ったとき、悔恨と懺悔の最たるものが、一昨年の総選挙での護憲党の怠慢と鈍感になるのではないかと私は考えている。社民党と共産党は一つの政党になって有権者から票をもらうべきであった。この二つの党が何を考えているのか理解できない。思考停止と楽観過剰、そして国民に対する政治的無責任、この三つしか思い当たらない。議席を極限まで減らしながら、まだ政党の体裁を暫く維持できると考えている。あるいは消滅するまでは政治貴族の身分を離さず、国会やテレビで偉そうなことを言って政治家稼業を続けようとしている。社民党や共産党がいくらテレビで正論を吐いても、議席にならない死票は誰も投じない。未来のない政党に誰も期待はしないのであり、NHKの討論会でこの二党が席を持っているのは単に過去からの特権に過ぎない。

憲法9条を守る政治戦略 - 唯一の隘路としての護憲新党_b0018539_162441.jpg二党は不要であり、もはや存在の意味がないのだ。次の総選挙でどうなるかは言えないが、03年の総選挙の時点なら、二党が一つの護憲党となって票を集めれば、小選挙区でも議席を取れるところは少なくなかった。比例代表では公明党と並ぶ得票を取れただろう。二党が一党になって党のイメージが刷新されれば、選挙にとって最も重要なモメンタム(勢い/追い風)を創出することができた。二年後は状況が変わる。同じことをやっても、それが数字の結果に結びつくかどうかはわからない。冷徹に考えれば、二年経てば、護憲が選挙の争点としてリアルなものになっているかどうかすら疑わしい。単に護憲の葬儀の選挙になっている可能性もある。二年前もそうだったが、獲得議席が二桁に満たない政党二つが有権者に護憲を訴えても何の説得力もない。本気だと信用できないのである。単に共産党や社民党の議席を国会で維持するためだけの党利党略で護憲を利用しているのではないか。

憲法9条を守る政治戦略 - 唯一の隘路としての護憲新党_b0018539_1624162.jpg社民党や共産党に一票投じている有権者は、確かに九条改悪の危機感から両党を支持しているのだろう。けれども二つの政党の幹部たちが本当に真面目に改憲を阻止しようと考えているとは思えないのであり、改憲の現実性をどこまで認識、実感しているのか不明なのだ。危機感が無い。本気で改憲を阻止する意志があるなら、すぐにでも合同新党の準備を進めるべきではないか。たとえ手遅れでも、政治家の使命としてはそれをするのが当然だ。この局面に至れば、綱領がどうとか、組織がどうとかの話は後回しの問題だろう。失敗してもよいから二党合同、護憲新党に賭けなければならない。そして新しい若い顔を党首に立て、選挙にとってマイナスの材料でしかない不破哲三や上田耕一郎や土井たか子の老醜は、速やかに政治の世界から退場すべきである。自分たちの引退こそが憲法を守る最後の手段なのだという政治的真実を、この三人は正しく自覚了解しているのだろうか。

憲法9条を守る政治戦略 - 唯一の隘路としての護憲新党_b0018539_16242836.jpg護憲勢力三分の一割れという議会状況は何があっても覆さなければならない。国民投票に持ち込まれてはいけない。「9条の会」は、知識人は、国民に向かって護憲を訴えるだけでなく、政党に向かっても護憲のための行動を呼びかけるべきである。そして現実政治を変えるべきだ。現実の目標は来年の参院選で公明党を凌ぐ1千万票超の票を獲得すること。「9条の会」の発起人や賛同者に名を連ねた著名人が候補者になればよい。赤瀬川隼、天野祐吉、池澤夏樹、石坂啓、永六輔、大江健三郎、大塚英志、大谷昭宏、岸田今日子、小林亜星、ちばてつや、湯川れい子、吉永小百合。共産党や社民党の古臭い看板が変わり、党利党略ではなく護憲が真の目的となれば、必ず多くの国民がそれに応えて一票を投じることだろう。新党を立ち上げ、護憲のモメンタムを上げ、衆院を解散させ、憲法を争点にした総選挙で百議席を取る。民主党を二つに割って護憲派を吸収し、そして創価学会と乾坤一擲の護憲協定を結ぶのだ。

そうすれば9条を守ることができる。
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by thessalonike | 2005-05-06 23:30 | 憲法 ・ 改憲 ・ 平和 (7)   INDEX  
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