本と映画と政治の批評
by thessalonike
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ポスト小泉の政治 - 総裁選は安倍晋三と野田聖子の一騎打ち
b0018539_11531744.jpg一週間前に私がここで予想したとおり、マスコミ各社は週末に行った郵政民営化に関する世論調査をニュース番組で発表した。画面でチラッと見ただけなので質問内容や正確な数字は覚えてないが、NHKの7時のニュースで放送された数字でも、郵政法案を今国会で成立させるべきかという質問に対して、慎重にせよという意見が成立を急げという意見を数で上回る結果を出していた。テレビ朝日の『報道ステーション』の方はさらに過激で、今国会での郵政法案に対する小泉首相の政治姿勢を強引すぎると批判する票が57%で、強引ではないと支持する票が31%という結果になっていた。こういう質問をこの時期に出せば、こういう結果が返ってくるのは見えている。これまで郵政事業民営化を「小泉改革の本丸」だと囃して煽っていたマスコミが、手の平を返したように小泉批判へと方向転換した。テレビ朝日はこの政局が嬉しくてたまらない。朝日新聞の幹部たちが小躍りしている様子が目に浮かぶ。これで暫く猪瀬直樹も松原聡もテレビ出演はご遠慮願いますということになるだろう。政局と倒閣の夏が来た。「改革」の旗振り役は終わり。



b0018539_11474837.jpgこれまで郵政民営化問題について最も冷ややかな態度だった筑紫哲也の『ニュース23』でも、11日の「マンデープラス」の拡大時間枠で、いきなりスタジオに岸井成格と田勢康弘と後藤謙次の三人を呼んで「ポスト小泉」の特集を組むという早変わりを見せていた。衆院の票決予測で失敗した岸井成格が政局を喋りたくてたまらないのだ。ポスト小泉で他に先んじて世論をリードしようとマスコミの連中が政局報道競争を始めた。無理もない。政権が動くのは四年ぶりであり、国民大衆は愚かなマスコミの連中よりも演技の巧い小泉首相の方を信用して従ってきたのであり、星浩も岸井成格も小泉政権に「第四の権力」を封じられて、小泉首相の前では全く頭が上がらなかったのだ。ようやく出番が回ってきたと思っている。だが、三人の政局予想、特に岸井成格と田勢康弘の予想はお粗末きわまりない出鱈目なものだった。緊張感がなく、感性が愚鈍でピントがずれている。政治の現実が何も見えていない。だから郵政法案が衆院で大差で可決するなどというトンデモない嘘話を堂々と披露できるのだ。特に岸井成格の錯誤は目に余る。

b0018539_2247463.jpg岸井成格と田原総一朗には早く画面から消えてもらいたい。分析能力のない政治解説者は用済みだ。隠居するべきである。岸井成格は11日の話の中で「参院で可決成立の可能性がある」などと真面目な顔をして言っていた。どうにかしている。小泉首相が参院執行部(青木・片山)との間で修正協議、すなわち最終的な法案骨抜きの要求に応じて、さらに竹中平蔵の首を言われるままに差し出せば話は別だが、それ以外の場合は今会期中の参院での法案可決の可能性は万が一にも無い。自民党の参院議員も衆院議員も、継続審議か解散かで今後の日程を組み始めている。参院で法案可決のシナリオで動いている議員は一人もいないだろう。つまり心はすでに選挙でありポスト小泉なのだ。来年9月の任期切れが一年間早まって前倒しになったのである。小泉首相が継続審議を飲めば政権は完全に死に体になる。そこからまた権勢を挽回するのは至難の業で、死に体のまま秋の臨時国会で法案を骨抜きにされるよりも、靖国参拝と絡めてこの時期に国民に信を問うた方がまだ権力復活の芽がある。敵に準備の時間を与えない方が得策だ。

b0018539_13351312.jpg11日の三人の漫談の中では一言も出なかったが、参院の委員会審議では担当大臣の竹中平蔵が必ず吊るし上げられる。単に法案の不備や矛盾の詰問だけでなく、竹中平蔵には重大なスキャンダルが持ち上がっていて、民主党はこの機に一点集中で徹底攻撃を仕掛けてくる。解散をせずに竹中平蔵がこの危機を突破するのは絶対に不可能な状況なのだ。今後の政局は竹中平蔵の委員会質疑と不信任問題が焦点になる。参院執行部は竹中平蔵の首を党内融和再結束の条件にして周旋するべく動くだろう。つまり竹中平蔵の首を材料にして造反議員への説得を試みようとするはずである。そこが青木幹雄の落としどころである。郵政法案の問題はそのまま竹中平蔵の進退問題になる。委員会審議は紛糾する。それが今週後半から来週にかけての動きだろう。竹中平蔵が立ち往生させられて恥を晒す場面が何度も出る。慎重に丁寧に審議すると小泉首相が参院本会議で約束した以上、強行採決はできないし、竹中平蔵がこれまでのような軽口答弁で言い逃れることはできない。委員会審議の展開はポスト小泉の政局を加速させる。

b0018539_1205051.jpgそのポスト小泉だが、岸井成格は本命が福田康夫で対抗が谷垣禎一、田勢康弘は本命が麻生太郎で対抗が高村正彦だったか。後藤謙次は本命が福田康夫で対抗を安倍晋三にしていたように思うが、実は記憶が不正確で、あまりよく覚えていない。穴馬のところに野田聖子の名前を挙げていたのは後藤謙次だけだった。岸井成格も田勢康弘もボケている。政界報道の狭い世界で権力者としてふんぞり返って威張っているために、アンテナが低くなり、リアルな最新の情報が入らず、情勢の変化の速度に対応できていない。感覚が鈍い。福田康夫や麻生太郎で自民党が選挙に勝てるはずがないではないか。小泉純一郎だからこれまで選挙に勝てたのである。福田康夫や麻生太郎を党首にすれば敗北は必至で、衆院の連中がそんな選択をするはずがない。党首に立てるとすれば安倍晋三か野田聖子の二人しかいないのだ。この二人ならば総選挙を戦える。野田聖子は必ず総裁選に出馬する。そして党員選挙で旋風を巻き起こすだろう。野田聖子に勝てる候補は安倍晋三しかいない。残りの面々は泡沫候補である。森派が福田康夫を立てれば野田聖子が新総裁になる。幹事長は藤井孝男か平沼赳夫だ。三役は郵政民営化反対派の同志で固める。
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by thessalonike | 2005-07-13 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
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