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本と映画と政治の批評
by thessalonike

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ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである
ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである_b0018539_11572390.jpg田中康夫の新党日本は、選挙の期間中にテレビ出演して小泉批判を訴える目的のテンポラリーなワンポイント政党だろう。選挙が終われば党解散、少なくとも田中康夫は代表を降りるだろう。こうでもしなければテレビでディストリビュートされる小泉批判のメッセージのシェアが絶無になる。田中康夫なら視聴者が注目するからテレビ出演が容易であるし、そこで小泉支持の郵政民営化賛成論者を論破する絵を見せることができる。小林興起よりも人気があるし、弁舌に説得力がある。作戦として郵政民営化反対を掲げず、小泉批判を正面に据えた。言っている事を聞くと、中身は民主党の主張と同じであり、荒井広幸的な明確な郵政民営化反対ではない。現在の世論情勢に配慮しているのだろう。裏で何があったのかは分からないが、刺客作戦に堀江騒動が加わって完全に郵政民営化選挙となり、小泉支持一色で固まったテレビ報道を牽制し、マスコミが醸成している自民党圧勝ムードに水を差すという点では多少の効果はあるだろう。



ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである_b0018539_17573966.jpgTBSは毎日新聞のテレビ局だが、本気で今度の選挙を小泉自民党に勝たせる気なのだろうか。週末の『ブロードキャスター』と『サンデーモーニング』は酷かった。刺客騒動だけの関心ではなく、焦点を日本の政治全体に合わせ、選挙の争点を郵政民営化から年金や財政や外交にも振り向ける報道をして欲しかったのだが、二つの番組ともそれをせず、「小泉改革支持」のゲストを多く出演させて、その基調で番組内容を固めていた。特に『ブロードキャスター』の方は酷くて、堀江貴文を「新時代の改革の旗手」として脚色し、亀井静香を「旧時代の利権政治の権化」に描き見せる演出と効果が徹底していた。ゲスト三人の中で中立の立場を守ったのは北川正恭だけで、木村政雄は番組の中で亀井批判と小泉支持を明言し、田中里沙も堀江貴文に熱烈なエールを送っていた。番組は選挙期間中の中立報道の原則を明らかに無視し逸脱している。小泉支持で世論も選挙も決まりだからこれで構わないという態度を躊躇なく見せていた。

ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである_b0018539_1758920.jpg『ブロードキャスター』だけでなく、他の番組も押しなべてそうで、今回はテレビ局が中立をかなぐり捨てて、どの番組のどの解説者も「小泉構造改革」を礼賛し、「郵政民営化断行」を絶叫し続けている。放送法第3条違反どころではなく、もはや完全に金正日独裁政権の朝鮮中央テレビ状態だ。ファシズムの国の中にいるようである。これほどテレビが「小泉支持」一色で塗り固めたら、どれほど民主的な選挙制度があっても、政治環境は全体主義国家と同じだろう。最初から投票すべき「正義」と投票してはいけない「悪役」が決められた選挙だからである。デマとトリックで世論が圧縮されて一方的に選択誘導される選挙。正常な理性と常識を取り戻して考えれば、小泉政治の四年間は、これ以上ない悪政が続いた四年間で、国民の収入は減り、負担は増えて、生活は苦しくなっただけなのに、それを「改革の道半ば」と賛美している。生活苦とは縁のない年収数千万円とか一億円とかのマスコミ人がテレビの電波で「小泉改革」を宣伝している。

ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである_b0018539_17582943.jpg郵政民営化は完全に選挙の争点として公式化された。これを今から覆すのは無理だ。テレビ電波を完全に占領されてしまった。本来、政権交代を導く原動力になるべきTBSとテレビ朝日が、逆に小泉政権維持のプロパガンダ装置となり、FOXと朝鮮中央テレビ状態になっている。このままでは民主党は押し切られる。もし民主党が本気で争点を覆すつもりなら、意を決して正面からマスコミ批判をしなければならない。テレビが小泉首相の奸計に乗って言うがままに「郵政民営化争点」を報道で固めてしまった事実や、報道番組のキャスターやコメンテーターに「小泉改革支持」の論者ばかり集めて「郵政民営化賛成」の宣伝を流し続けた過誤を責めなければならない。放送法の中立と公正の原則を逸脱した違法責任を追及しなければならない。マスコミの世論操作を批判しなければならない。小泉政権とテレビ局の癒着と連携を暴露しなければならない。直接に国民に向かって、「テレビに騙されてはいけない」と言わなければならない。

ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである_b0018539_17585024.jpgもし民主党が選挙に敗北するとすれば、それは戦術として郵政民営化問題を曖昧にして逃げたからだ。そしてマスコミを(中立だと)甘く見たからだ。小泉政権がマスコミと組んで「郵政民営化」で勝負を仕掛けてきたのだから、その土俵を切り替えることができないのなら、堂々と土俵に乗って郵政民営化反対で反撃戦を展開すればよかったのだ。郵政民営化を論駁する論理などいくらでも並べられる。国民を郵政民営化反対で納得させることは可能だ。敵は小泉自民党だけでなく、小泉自民党とマスコミの連合軍なのだ。民主党の敵はマスコミなのである。だから、マスコミと戦わなければならない。それを中立と思い込んで妥協してスリ寄る姿勢を見せてはいけないのだ。小泉を支持しているマスコミを批判しなければ、視聴者の浮動票を取ることはできない。「郵政民営化」は政策ではなく戦術なのである。小泉自民党が選挙で勝つための政治シンボルであり、ワンポイント・ポリティックスなのだ。だから民主党がそれに有効に対抗するためには、シンボルである「郵政民営化」をプラスシンボルからマイナスシンボルに転化させなくてはいけない。

シンボルとしての「郵政民営化」の戦術と真実を暴露し、そのシンボルを地に墜とすしかないのだ。

ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである_b0018539_17454815.jpg

by thessalonike | 2005-08-22 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅰ (15)   INDEX  
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