本と映画と政治の批評
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球界再編考(2) - 国会(良識の府)は何をやっていたのか
b0018539_17465210.jpgギリギリのところで古田敦也が日本のデモクラシーを守り、また古田のおかげで日本のプロ野球は頓死を免れた。古田は日本の民主主義の守護神であると同時に日本プロ野球の守護神でもある。何もかも古田に負っている。三十九歳、体力も気力も充実して、男が最高の仕事を遂行できるとき。古田は日本の民主主義を救った偉業によって歴史に名を残すだろう。古田の人生で今回の交渉が最大の功績になるに違いない。交渉相手役だったロッテ球団代表の瀬戸山隆三も、古田のお陰で脇役ながら歴史に名前を刻むことになる。瀬戸山は大きな人生の桧舞台を提供してくれた古田に対して心の奥底で深く感謝しているだろう。この問題が偶然に発生しなければ、瀬戸山は無名のサラリーマンとして生涯を終えていた。



b0018539_17471195.jpgそれはともかく、自然な感情として湧出するのは、何故こここまで古田敦也と選手会ばかりに問題解決の役割負担が押しつけられるのか、労組の委員長である古田が国民全体の意思を負託させられるのか、重責を一人で背負わされなければならないのかという問題だ。本当なら労組委員長のような弱い立場の人間ではなく、もっと強い立場と権力で野球機構と対峙して国民の世論をぶつけ、国民の要望を実現できた立場の人間がいただろう。有体に言おう。国会議員は何をやっていたのか。世間の夏休みはとっくに終わっている。9月の初めにさっさと臨時国会を召集して、参議院の文教委員会で議題として審議すればよかっただろう。参院の文教委で審議すべき問題として、これ以上格好の議題が他にあるのか。

b0018539_17472840.jpgこの問題は、まさに参議院議員のためにあるような問題(仕事)であり、憲法は、衆議院のチェック機能だけでなく、このような問題を良識で解決する役割をこそ参議院に期待しているのある。そして参議院には、橋本聖子とか大仁田厚とか馳浩とか荻原健司とか、スポーツを売りにして集票し当選した国会議員(文教族)が何人もいる。この連中が活躍する場所こそ、まさにこのプロ野球球団合併再編問題の収拾だろう。文教委員会にコミッショナーの根来泰周を呼びつけて質問すればいいのだ。セパ連盟会長の豊蔵一と小池唯夫の両名、そして問題の田代和と宮内義彦の二人、さらに重光武雄と中内正、そして今回の騒動の仕掛人であり黒幕である堤義明と渡辺恒雄を参考人として招致して、事情を聴取すればよいではないか。

b0018539_1748362.jpg私企業の経営問題に政治家が口を差し挟むなとか、スポーツに政治が介入するななどという意見があるが、これは全く本末転倒した話であり、国会が国民生活に責任を負うのは当然であり、ましてプロ野球が私企業の資本財に止まらず公共の文化財であるのならば、当然、議員はこの問題に率先して関心を向けなければならず、積極介入して問題解決に奔走しなければならないはずだ。さらに、憲法は国会を国権の最高機関と位置づけている(憲法41条)。国権の最高機関が介入し論議できない問題がこの国にあるのか。国権の最高機関が招致できない人物がこの国にいるのか。国権の最高機関たる国会は(特に良識の府たる参議院は)こういう問題を論議し、調査し、知恵を出し、問題解決の方向を提示するために存在するのではないのか。

b0018539_17482145.jpg国会は単に法律だけ作って予算だけ決める場所ではない。プロ野球の合併再編問題は日本国民の文化生活にとって重大な関心事だ。国民の代表者である国会議員が国民に代わって機構幹部や球団幹部に質問を発し要求を突き出すのは当然の職務だろう。近鉄とオリックスの事業経営の数値やパ連盟の収支損益の詳細についても、公認会計士を入れて文教委で公開審議すればよい。多くの国民がパ連盟の経営者連中の主張に納得していない。赤字だ赤字だという一方的な言い分に頷いていない。それは日本サッカー協会主将の川渕三郎からも同じ疑義が出されていた。年間何百万人も観客を動員しながら何十億も赤字が出る理由は何なのか。経営改善する余地や方途は全くないのか。縮小均衡路線以外にアイディアは出ないのか。

結論。国権の最高機関たる国会は、選手会に代わって先の労使交渉で議論された合併再編問題を参院文教委に引き取って継続審議せよ。パ連盟球団幹部の虚偽と無責任を暴露し、黒幕である渡辺恒雄と堤義明の姑息な陰謀を究明、告発せよ。二十一世紀の日本プロ野球の理念を国民の前に提示せよ。何のための国会、誰のための民主主義なのか。  
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by thessalonike | 2004-09-27 22:10 | 球界再編 ・ 岩隈移籍考(10)   INDEX  
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