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本と映画と政治の批評
by thessalonike

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球界再編考(4) - 渡辺恒雄の陰謀工作とライブドアの無策
球界再編考(4) - 渡辺恒雄の陰謀工作とライブドアの無策_b0018539_18135730.jpgNBP(日本プロ野球機構)審査小委による二回のヒアリングが行われて、来月2日のオーナー会議で新球団認可の最終決定が下される。あと二週間だが、最高意思決定機関であるオーナー会議の決定は、実際のところどのような形になるのだろうか。機構側の結論は最初から見えていて、ライブドアを落選させて楽天を仲間に引き入れようとしている。それを裏で操っているのは読売の渡辺恒雄で、渡辺恒雄が子飼いでパシリの滝鼻卓雄を使って他球団のオーナーに根回しし、楽天認可へのレールを敷き固めていることは傍から見てもよく分かる。三木谷浩史は渡辺恒雄と旧知昵懇の間柄であり、渡辺恒雄がライブドアの球界入りを阻止するために楽天の三木谷浩史を動かしたのではないかという見方が巷では有力だ。渡辺恒雄も10球団(ダイエー除く)の全ての了解を完全に固めたわけではないだろうし、また仮に楽天に決定するにしても世論を納得させる演出(細工=芝居)が必要になる。



球界再編考(4) - 渡辺恒雄の陰謀工作とライブドアの無策_b0018539_18141230.jpg楽天選定を正当化する根拠作り、いわゆる世論工作の政治だが、予想するに、オーナー会議は全会一致の決議慣例を破って多数決方式で世に訴えるのではないか。最高裁(大法廷)判決のような形式を想像する。出席各オーナーがどちらに一票入れたかを明らかにし、決定の際は少数意見も添付開示して全体を隠さず公表するやり方。反対も保留もあった上での多数意見としての楽天決定のシナリオ。渡辺と滝鼻、そして宮内らが今やっているのは、会議で多数決方式を演出するための根回しではないか。二回目の審査小委ヒアリングでライブドアに不利な状況を既成事実として作っており、すでに布石は打っている。これならマスコミも決定を妥当なものとして報道せざるを得ないし、世論の反発も最小限のところで止められる。渡辺恒雄や宮内義彦はそう踏んでいるだろう。

球界再編考(4) - 渡辺恒雄の陰謀工作とライブドアの無策_b0018539_18142455.jpgとすれば、禁治産者同然となり投票権に意味がなくなったダイエーを除く10球団中5球団を押さえればよいわけで、反対票(ライブドア票)を5球団に止めれば議決は万全となる。連盟会長2名とコミッショナーの3名は保留にしておいた方が世論工作として都合がいいだろう。反対票が4票くらいのところが世論への訴求としては格好がついて按配がいい。そんな事を考えながら、夜な夜な滝鼻たちが赤坂の料亭で多数派工作と世論戦略に勤しんでいるのではないか。楽天選出(ライブドア排除)の仕掛と陰謀。渡辺恒雄の大好きな謀略政治。そうすると二週間の間にあと一つか二つ、「多数決」の演出を補強する材料が欲しいところであり、場合によっては(ダメ押しで)堀江貴文の私生活暴露記事みたいなものが出るかも知れない。渡辺恒雄の情報網とこの世界での支配力は侮れないものがある。

球界再編考(4) - 渡辺恒雄の陰謀工作とライブドアの無策_b0018539_18174869.jpg一方のライブドア側だが、劣勢を一気に挽回するウルトラCの秘策を持っているのかどうか。世論の支持はどうにか繋ぎとめているものの、一ヶ月前にデモス(市民大衆)が古田敦也を支持したような熱烈な後押しはない。後出しの三木谷浩史にこのまますんなり決まるのは癪だが、大騒ぎして楽天を引き降ろしてライブドアを当選させたいという悲願や情熱をわれわれは持っていない。古田と堀江は違うのだ。唯一、世論が堀江支持で盛り上がる可能性は、渡辺恒雄がカメラの前で公然と三木谷支持を言い、さらに堀江降ろし工作の全貌が公衆の前で暴かれるような波乱の展開になることだが、さすがに渡辺恒雄も今回はそこまでの失敗はやらないだろう。前回の敗北劇で懲りている。われわれは、堀江貴文がどこまで本気なのか、球団経営に夢と情熱を持っているのかよく分からない。

球界再編考(4) - 渡辺恒雄の陰謀工作とライブドアの無策_b0018539_18144678.jpg夢と情熱がないのなら、せめてネット事業とプロ野球を結びつけるスマートな経営理論の提示でも欲しいところだが、それすらも現時点では明瞭ではない。それを明確に語ってくれたのは先日の孫正義のコンテンツ論であり、これは経営構想として説得的だし、消費者として支持もできる。堀江貴文と三木谷浩史が言っているのは意味不明な地域密着論だが、これには経営構想の中身がない。要するに単なる広告宣伝の材料の認識しか持っていないということだ。堀江貴文にしても、三木谷浩史にしても、口をついて出てくるのは「カネはあります、キャッシュで何十憶出せます」というカネ(ファイナンス)の話ばかりで、そこからして、サラ金経営者的な異様な雰囲気が漂ってきて鬱陶しい気分になる。文化財保護者として相応しい知性や教養が見られない。二人から最先端情報技術企業のトップらしい(ゲイツやジョブズのような)ビジョンやコンセプトがひとつも出て来ないのは何故だろうか。
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by thessalonike | 2004-10-21 22:38 | 球界再編 ・ 岩隈移籍考(10)   INDEX  
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