本と映画と政治の批評
by thessalonike
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球界再編考(6) - マスコミの「世論調査発表なし」の政治
b0018539_1528299.jpgNPBは審査小委の報告書を元に2日に実行委員会を開いて一球団に決定、それを同日のオーナー会議で正式了承する運びと言う。この手続が公表された時点で楽天の内定とライブドアの落選が事実上固まったと言える。機構側(渡辺恒雄)の強気が十分に伝わってくる。私は決定はオーナー会議での多数決になるだろうと予想していた。世論への配慮のために、ライブドアにも気遣いした選定方法が演出されるのではないかと考えていたのである。機構側にそこまでの必要はなかった。世論がライブドアを後押ししなかったからであり、堀江貴文への支持が伸びなかったためである。世論の多数は、渡辺恒雄が背後で操る楽天の三木谷浩史に対しては胡散臭く嫌悪しているものの、かと言ってライブドアの堀江貴文を積極的に支持しようという気分にはなれないのだ。堀江貴文の謙虚さのない傲慢な態度が不愉快なのである。



b0018539_1274054.jpg先週は新潟県中越地震のニュースでメディアは一色に塗り潰された。もし震災がなければ、報道はこのプロ野球新規参入問題と米国大統領選挙の二本立てで連日特集が組まれていただろうと思われる。二宮清純や西村欣也、野村克也や星野仙一が夜の民放の報道番組のスタジオに生出演してコメントし、NPBの審査に大いに揺さぶりをかけただろうし、世論の風向きによっては、「楽天とライブドアのどちらを支持するか」の世論調査を企画報道しただろう。古田敦也のストライキの際は新聞とテレビが大々的に世論調査報道を行った。結果は圧倒的な古田支持(スト支持)で、そのためNPBは1リーグ制移行(パ5球団)を断念させられた。世論調査はマスコミが政治を現実に動かすためにやる。NPBは世論に抗して1リーグ制移行を強行する事はできなかった。

b0018539_1528771.jpg今回、新規参入球団決定問題をめぐってはマスコミは世論調査をやらず、つまりはNPB側に決定の自由を与えた。楽天に決めても構わないよという暗黙のシグナルを送ったのである。マスコミが(朝日と毎日と産経が)、どうしても楽天決定を阻止する腹なら、地震報道の合間を縫ってでもコメンテータをスタジオに呼び、楽天反対で世論を煽り、週後半から週末にかけて世論調査の結果数値を発表すればよかった。実際には報道各機関は早い時期から世論調査をやっている。そしてその数字の推移も知っている。世論の動向が圧倒的にライブドア支持であれば、マスコミはそれを公表して世論を固め、政治的な流れ(空気)を作り、NPBに楽天決定を許さなかったに違いない。9月のストライキの事態と同様の展開になり、NPBはギブアップしただろう。

b0018539_1282556.jpg報道機関が潜行して実施している世論調査でライブドアへの支持が芳しくないのである。あるいは基本的に世論は無関心で、どちらでもよいと回答しているのだ。「楽天NO、ライブドアYES」の流れができていないのであり、だから新聞もテレビもその公表を見送り、今回のNPBの決定には政治的に干渉介入しないのである。今回は渡辺恒雄(読売)の決定に委ねたのだ。そしてこれは、政治的結果として言えば、消極的ながらも世論(デモス)が楽天を認めたことになり、渡辺恒雄の政治に屈したことになる。ネットに一部では反発の声も上がっているが大きく盛り上がる動きにはならない。2日は全会一致の決議で楽天の新規参入が決定され、「選ばれた以上は仙台で頑張れ」といった基調の報道がなされるのではないか。三木谷浩史のテレビ生出演があるだろう。

b0018539_15285161.jpg渡辺恒雄の政治としてはこれで一勝一敗だが、決して1リーグ制を断念したわけではなく、政治の駆け引きと見せ場は今後もさらに続いてゆく。孫正義にホークス買収を容認する交換条件として再来年の1リーグ制移行を確約させるという裏取引があるだろうし、同様に、テレビ朝日にライオンズを買収させる見返りに朝日新聞に1リーグ制支持への転向を迫るという荒技もある。渡辺恒雄にとって球団数を減らすことが目的ではなく、要はセパを廃止して1リーグ制にすればそれでよいのだ。球界で政治的ヘゲモニーを貫徹できて、政策のフリーハンドを維持できればそれでよいのである。渡辺恒雄に操られるままに三木谷浩史はロボットとして動くだろう。遠くない時期に球団を売り、あるいは合併に同意し、そして自分は財界の名士に収まって行くに違いない。
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by thessalonike | 2004-11-01 22:15 | 球界再編 ・ 岩隈移籍考(10)   INDEX  
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