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本と映画と政治の批評
by thessalonike

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球界再編考(7) - 敗者たるを演じられなかった堀江貴文
球界再編考(7) - 敗者たるを演じられなかった堀江貴文_b0018539_18154395.jpg受け止め方は様々あるだろうが、私には昨夕(11/2)の堀江貴文の仙台でのコメントは最悪だったように思われる。若い人間の本音の丸出しと言えばそれに尽きようが、男は敗者となった時にどう振舞うかで真価が問われる。負け方というものがある。次の機会に復活を果たすためには、そこで好感を持たれる印象を残さなくてはいけない。潔く、爽やかに負けて、勝者の楽天にエールを送る演技をしなければいけない。堀江貴文の昨夜のドタバタ劇は、目を蓋いたくなる不恰好なものであり、あまりに幼稚で未熟な人間性の表出であり、一般の市民の感性からすれば、こんな幼児的な精神の持ち主に大事な公共文化財の保護者の任を与える事は認められない。楽天の三木谷浩史はずるい男だが、ずるくてもまだこちらの方が安心して見ていられる。テレビでの正視に耐えられ、言葉を聞くに耐えられる。



球界再編考(7) - 敗者たるを演じられなかった堀江貴文_b0018539_1816043.jpg昨夕の記者会見でライブドアと堀江社長への印象がさらに一段と悪くなった。単に態度や言動が粗忽で醜悪というだけでなく、この男は無責任で場当たり的だ。周到さがない。「選ばれなかった時のことは全く考えていなかった」と言っていたが、それが本当ならバカとしか言いようがない。堀江貴文の敗北は状況的に誰の目にも明らかで、当日の記者会見で言わなければならなかったのは敗北のコメントであり、そのときに準備しなければならなかったのは、何如に好感を持たれる敗者としてその場を美しく演じ、人々の記憶に伝説を残すかというスピーチだっただろう。マス(デモス)は堀江貴文にそれを期待したのであり、悲劇のヒーローをよく演じてもらって、後で捲土重来する堀江貴文の背中を後押ししようと思っていたのであり、堀江貴文はそのマス(デモス)の期待に応えなければならなかった。

球界再編考(7) - 敗者たるを演じられなかった堀江貴文_b0018539_18163293.jpgところが昨夜の掘江貴文の様子を見ていると、明らかに敗北宣言は用意しておらず、勝利宣言だけを用意して仙台に乗り込んでいる。あり得ない話だ。本当にそこで勝利宣言を言うつもりなら、NPBの審査で楽天を勝たせてはいけなかった。必勝のウイニング・ストラテジーを敷いて、確実にNPBにライブドアを新規参入球団として指名させなければならなかった。そしてそれはやり方次第で簡単にできていたはずなのである。時間は十分にあった。努力すれば勝てた。ところが堀江貴文は何もせず、徒に時間を浪費し、楽天有利で情勢が日々進行しているにもかかわらず、状況を分析せず、有効な打開策を打とうとせず、援軍を仰ごうともせず、無駄口を叩き、NPBを挑発する言辞を吐き、自分を可愛がってくれる仙台にシミついて時間を潰した。自己満足の極みだ。見苦しい。堀江貴文への同情の気分は起きない。

球界再編考(7) - 敗者たるを演じられなかった堀江貴文_b0018539_18161992.jpg結果と今後とを考えれば、これで堀江貴文は仙台という特定地域から離れにくくなったわけで、他地域で新しくプロ野球の球団を興したり、他地域の球団を買収するのは暫くは具合が悪い。埼玉本拠地のライオンズの後釜保有者に簡単に手を挙げることはできないだろう。ライブドアの球界入りのストーリーは、結局のところ、楽天が仙台での球団経営を放棄した際に譲渡を受けるという形しかなくなった。仮にそのような展開になったとしても三年以上の時間がかかる。三年後に堀江貴文がプロ野球の球団経営の意思を持ち続けているかどうか。あらゆる状況と情勢を睨んで、自分にとって最善で最適の判断を経営者はすべきなのだが、堀江貴文の無策と開き直りは経営者としての資質を大いに疑わせる。昨夕の虚勢は空しく、負け惜しみの狼狽は醜かった。敗者は敗者なのであり、勝者ではないのだ。

球界再編考(7) - 敗者たるを演じられなかった堀江貴文_b0018539_18164730.jpg河北新報がこの世論をどのように捌(さば)いていたのか分からないが、仙台とプロ野球の発展を慮れば、楽天イーグルスを積極的に支援する方向にシフトした方がいいのではないか。堀江貴文が無駄に作り出した「9割ライブドア支持」の分裂を引き摺るのは無意味だ。本当に堀江貴文が仙台市民のためを思ってやっているのであれば、この勝負に勝たなければならなかった筈だ。もし仙台市民が楽天イーグルスへの支援をボイコットし、新装宮城球場に一年目から閑古鳥が鳴く事態になれば、三木谷浩史と渡辺恒雄の深謀である1リーグ制に手を貸す政治的結果になる。渡辺恒雄の思うツボだ。仙台市民はイーグルスを歓迎し、中央の激動で偶然に得た球団を市民球団として育てる意思を固めるべきであり、そのためには堀江貴文の無策と無責任を正しく総括し、堀江貴文と思想的感情的に決別すべきなのだ。

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by thessalonike | 2004-11-03 22:22 | 球界再編 ・ 岩隈移籍考(10)   INDEX  
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