本と映画と政治の批評
by thessalonike
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カテゴリ:『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)( 8 )
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『ダ・ヴィンチ・コード』書評予告編 - 「最後の晩餐」の謎の女
レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』は、キリストが磔刑される前夜に十二使徒と共にした晩餐の場面が描かれた有名な絵画だが、話題の本『ダ・ヴィンチ・コード』では、この絵についての新解釈が紹介される。何と、この十二人の中に女が一人いるというのだ。
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by thessalonike | 2004-10-06 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』 (1) - 方法としてのインディジョーンズ
b0018539_1843417.jpg聖杯伝説とダ・ヴィンチの絵の謎を題材にしたサスペンス・ミステリー。読書の秋の注目の話題作。キリスト教史、ヨーロッパ思想史の本としても非常に興味深く読める。蘊蓄が満載で、特にアナグラムや暗号解読が好きな読者には堪えられない一冊だろう。ページを埋めているコンテンツは宗教学(図像学・象徴学)の知識なのだが、小説の方法が映画的で、ドラマの場面展開が映画のシーンが連続するように構成されている。すぐにでも映画化されそうな作品であり、その場合は米国(ハリウッド)の映画になるだろう。映画化が意識されている。読みながら作者のことを考えていた。ダン・ブラウンとはどういう作家なのだろうかと。作品のテーマやモチーフからすれば熟年のベテラン作家を連想させる。研究と熟考を重ねた文章を期待する。

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by thessalonike | 2004-09-22 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』 (2) - グノーシス獲得としてのセックス
b0018539_181849.jpgなるべく他の人とは違う視角での批評を試みたいのだが、この本で強く関心を喚起させられたのはセックスの問題だった。小説『ダ・ヴィンチ・コード』の重要なテーマは宗教と性の問題であり、読者はセックスの問題について深く考えさせられる。すなわち、キリスト教以前は人間が普通に抱いていた「聖なる女性」の観念や女性崇拝の慣習が、教会によって否定され、異教的な倒錯や悪習として嫌忌され撲滅される対象となり、魔女狩りが行われ、女性の地位と尊厳が貶められると同時に、人間生活一般の中でセックスを不当に禁忌し卑蔑する観念が支配的になった。宗教の薀蓄が満載の小説の中で、一本の筋としてキリスト教における女性とセックスの矮小化の歴史が告発されていて、女性とセックスを本来の地位に復活させるべきだという基調が貫かれている。

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by thessalonike | 2004-09-21 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』 (3) - 聖婚と聖娼、神婚と斎女
b0018539_1515133.jpgソフィーが目撃した祖父の秘密。ノルマンディーにあるソニエールの別荘で繰り広げられるシオン修道会の謎の性秘儀の情景。この聖婚秘儀の場面は作品全体の中でもきわめて重要な位置を占めていて、ドラマの序盤ですでに暗示されながら、全貌が明らかになるのは下巻に入ってからであり、読者の関心を惹きつけ続けるキー・モメントの役割を果たしている。作品が映画化された場合にも、このシーンは重要なアクセントとなるに違いなく、映画化を前提としている作者ブラウンは、この映像のアイディアに自信を持っている様子が窺える。と言うより、映画化が意識されていることを読者が了解するのは、まさにこのミステリアスで淫靡な性秘儀の場面の描写であり、一読して、忽ち頭の中にハリウッド映画の荒唐無稽な一場面が出来上がってしまうのだ。

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by thessalonike | 2004-09-20 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』 (4) - 死海文書とマグダラのマリア
b0018539_1571344.jpg『ダ・ヴィンチ・コード』の世界の思想史的背景についてもう少し詳しく掘り下げたいという衝動にかられて、部屋にある本棚を掻き回していたら面白い本を見つけることができた。今から二十年も昔に買った山川出版社の『民族の世界史(8)ヨーロッパの原型』、この本の中の谷泰の『キリスト教とヨーロッパ精神-とりわけ女性的性をめぐって』と題された論文が面白い。主題と基調がほとんど今回の『ダ・ヴィンチ・コード』と同じであり、読みながら、まるでシャトー・ヴィレットの邸宅でティービングの饒舌な聖杯講義を聴いているような感覚になる。作者のダン・ブラウンが小説執筆に際して基調と薀蓄の元ネタとして活用した主な研究書は下のとおりで、これらは下巻の冒頭にテイービングの口を通じて紹介されている。

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by thessalonike | 2004-09-19 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』 (5) - イエスの復権と男女平等主義
b0018539_16575031.jpgキリスト教正統派の確立期に並行して成立していたと考えられる『トマスによる福音書』や『ピリポによる福音書』の文言の背景を知ったいま、われわれは、これら女性原理を抑えた正統派の見解と並行して、グノーシス主義的思想に依拠したまったく別個のキリスト論が存在していたこと、そしてそこには女性原理の賞揚、そしてイエスとマグダラのマリアに代表される女性的存在との交わりないし合一による救済論が展開されていたことを認めなければならない。これらの主張は、正統派キリスト教にとってはたんに排除されるべきものにとどまらず、否定すべき最大の異端とみなされるべきだったことはその主張の内容をみるとき、容易に理解できる。聖婚的モチーフ、そして女性原理の賞揚はつねに旧約的伝統から排除されてきたものである。ただこれまでみてきた正典の福音書とグノーシス主義的色彩をもった外典のキリスト論を、旧約的路線に照らして見直すとき、正典福音書が、旧約的路線にくらべて、より本来の伝統的立場からそれて、ある種の女性原理への許容ないし譲歩を示していることも事実である。

(山川出版社 『ヨーロッパ文明の原型』 第4章 P.288)


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by thessalonike | 2004-09-19 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』(6) - 歴史認識とアナロジー
b0018539_9493343.jpgティーピングの口を借りてブラウンの歴史認識が滔々と講義されている。分かりやすい議論であり、読者の側で特に反論を思い立つ者はいないだろう。説得的な歴史認識だ。聖書についてはこのように説明されるのが一番了解しやすい。そもそも聖書には人の理性や思考を超越した物語ばかりが記されていて、信仰を持たない者が読んでも興味を繋げることのできない性格の書物である。象徴や隠喩といった裏側の意味や背景を探り当てる試みにしかならない。一人で読む本ではなく、これは教会の神父か牧師に解説してもらうものだ。解釈を聴き、そこから何事かを考える本である。直接、自分からその世界には入れない。物語に登場する人物のありさまは全て予め演劇で定められた台詞のようであり、予定的で、解釈が与えられている。リアリズムの契機が弱い。

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by thessalonike | 2004-09-17 23:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
『ダ・ヴィンチ・コード』(7) - 学研『キリスト教の本』のお奨め
b0018539_14555095.jpg丸の内オアゾの丸善本店に様子見に行ったとき、4階のレジの列に並んで買ってきたのは山川出版社の『キリスト教史Ⅰ』と学研の『キリスト教の本(上)』だった。例のティービングが言っていた「公会議で投票で決まった三位一体説」の話が気になって、詳細を調べたかったからである。『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだ読者は、キリスト教の教義や歴史についてもう少し知りたいという欲求を自然に持つに違いない。この二冊を読み較べて言うと、『ダ・ヴィンチ・コード』で喚起された問題関心に対して当を得た回答を返してくれるのは学研の『キリスト教の本』だ。面白い。1165円。『ダ・ヴィンチ・コード』の副読本としてお奨めしたい。本の題名で損をしている。一見して、いかにも浅薄な趣味的カタログ本のイメージがあって、内容の濃さを期待できない印象を受けるが、実際は決してそうではない。キリスト教研究の最先端の問題意識が読者に分かりやすく紹介されている。

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by thessalonike | 2004-09-16 22:30 | 『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)   INDEX  
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