本と映画と政治の批評
by thessalonike
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カテゴリ:『スキャンダル』 (4)( 4 )
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韓国映画『スキャンダル』(1) - 愛を描き、観客を感動に導く
b0018539_943396.jpg話題のヨン様の映画デビュー作。見どころの一つは、『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンが、時代も役柄も全く異なるこの作品でどういう演技を見せてくれるのかという点だが、ファンは実に一見の価値がある。見るべきだ。前評判のとおり、浮薄な女誑しの貴族のプレイボーイに徹しきっていて、冬ソナのあの生真面目なチュンサン青年の面影はほとんど見えない。イメージを消している。どこかで読んだ公開前インタビューで、役者は役を演じることが大事なのだというペ・ヨンジュンのコメントが記憶にあるが、まさにその発言のとおり。『冬のソナタ』のイメージを完全に壊している。写真を見てもそうだが、映画を見た最初の印象は、あれ、メガネを外すとこんな顔になるのかというものである。その印象分裂の奇妙で意外な感覚が映画のラストまで続く。最後までチュンサンの表情が画面に登場して来ないのだ。ペ・ヨンジュンの俳優としての演技力を褒める以外にない。

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by thessalonike | 2004-10-04 23:30 | 『スキャンダル』 (4)   INDEX  
韓国映画『スキャンダル』(2) - 李朝の風紀紊乱と反モラル
b0018539_948999.jpg『スキャンダル』はR-18指定の成人映画で、中身も冒頭からエロティックな愛欲シーンが連続するが、決して単なるエロ映画ではない。それはネットの中にある寸評を見ても分かるとおりで、観客は作品の発する真摯なメッセージを受けて愛の普遍的な意味を考えさせられる。遊び目的、ゲーム目的の誑(たぶら)かしの愛が、いつしか身を焦がし身を滅ぼす真実の愛に転化する。偽りの愛を見抜いて拒絶していた女が、虚実半ばでそれを受け入れ、そして裏切られて傷つき、最後は「天国で人目を憚ることなく夫婦になる」生き方を選ぶ。二人は身を破滅させることで永遠に固く結ばれる。愛を快楽の手段としていた者、愛から身を遠ざけていた者、その二人の男女が最後は愛に生を支配される。愛は身を滅ぼすほどに重く、人を支配するものだというメッセージに感動させられる。

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by thessalonike | 2004-10-03 23:30 | 『スキャンダル』 (4)   INDEX  
韓国映画『スキャンダル』(3) - 私が監督ならこう撮った
b0018539_9505487.jpgヒヨン役のチョン・ドヨンがミスキャストではないかという意見があって、それには多少アグリーする部分がある。個人的に欲を言えば、『ブラザーフッド』のイ・ウンジュあたりが出演してくれれば最高の配役になったかも知れない。懼くこれには少し事情があったはずで、それは何かと考えると、ヒヨン役の女優には二つの条件が要る。一つは妖艶で淫靡なチョ夫人と対照的な個性である清楚で貞潔な女のイメージを強く押し出す女優でなければならないということ。ヒヨンは処女でキリスト教の奉仕活動に身を捧げる女だ。もう一つの条件は、R指定の成人映画で全裸を曝し、濃密なラブシーンを演じられる女優でなければならないこと。この二つの条件で探したとき、チョン・ドヨンしかいなかったということなのだろう。チョン・ドヨンは貞潔の印象だけは満点と言える。

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by thessalonike | 2004-10-01 23:30 | 『スキャンダル』 (4)   INDEX  
韓国映画『スキャンダル』(4) - 李朝文化ルネサンスの予感
b0018539_95615.jpg映画の中で主人公のチョ・ウォンが美人画や風景画を描いているシーンが屡々登場する。文武両道の風雅な貴公子チョ・ウォンは、ある意味で男子の生き方の理想像を示している。私はこの李朝時代の書画の文化について以前から関心を持っていて、どこかで知識を本源的蓄積する機会はないものかと右往左往しているのだが、今までのところ、残念ながらその機会を得ていない。ブログをご覧の方で助言があればぜひお願いしたい。十五年ほど前に、ETVの日曜美術館でソウルの国立中央博物館が紹介されたことがあった。NHKのスタジオで加賀美幸子アナと向き合った館長が実に立派な知識人で、その頃の一般の日本人からは聞かれなくなった美しい知的な日本語で解説されていたのが印象的だった。当時の国立博物館は、あのドームが特徴的な旧朝鮮総督府の建物で、それは1995年から96年にかけての撤去工事によって解体された。

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by thessalonike | 2004-09-30 23:30 | 『スキャンダル』 (4)   INDEX  
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