本と映画と政治の批評
by thessalonike
カテゴリ
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『ダ・ヴィンチ・コード』 (7)
『アフターダーク』 (8)
『グッドラック』 (5)
『いま、会いにゆきます』 (5)
『ハウルの動く城』 (8)
『ブラザーフッド』 (6)
『シルミド』 (5)
『スキャンダル』 (4)
『グッバイ、レーニン!』
『ピアニスト』 (4)
『特別な一日』 (2)
ジュンク堂書店新宿店
丸の内オアゾの丸善本店
ライブドア問題考 (2)
球界再編 ・ 岩隈移籍考(10)
プロ野球関連 (5)
読売巨人軍考 (7)
米大統領選考ほか(5)
テロ ・ イラク戦争 (3)
憲法 ・ 改憲 ・ 平和 (7)
竹島問題・日韓関係 (8)
北朝鮮問題考 (10)
中国の反日デモ (10)
東京裁判 ・ 南京事件 (10)
歴史認識 (7)
靖国問題 (10)
郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)
郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅰ (15)
郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)
プロフィール ・ その他

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法案否決時のシミュレーション - 野田聖子が総理になっていた
b0018539_17463153.jpg同時爆破テロの衝撃で郵政民営化問題の政局がすっかり影が薄くなった。今週末の報道番組で5日の衆院での薄氷の法案可決劇を念入りに再放送して、小泉政権の死に体模様を演出報道しようと狙っていたマスコミ(岸井成格・星浩)にとっては想定外の事態となった。小泉純一郎はいつもながら幸運にめぐまれている。郵政国会は衆院での戦いが終わり、参院での勝負が始まるが、勝負を方向づけて行くのはマスコミである。衆院においては各局各様、TBSは法案に対して終始消極的で、逆にテレビ朝日は局を挙げて法案成立に協力した。衆院での結果を受けてマスコミの対応も変わらざるを得ない。政局になれば、朝日新聞の悲願である民主党を政権の座に就けることができる。民主党が政権を取るということは、読売新聞に代わって朝日新聞が日本の政治を支配するということを意味する。極論すれば民主党は朝日新聞の国会代理勢力である。テレビ朝日がこの機を放置するはずがなく、徹底的なレイムダック・キャンペーンを推進するに違いない。

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# by thessalonike | 2005-07-12 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
アルカイダは実在するのか - 「テロとの戦い」のための象徴装置
b0018539_10425254.jpg田中宇もそう見ているように、アルカイダというテロ組織が本当に実在しているのかどうかはきわめて疑わしい。最近の報道は、世界中に散在するイスラム過激派のネットワークが、特にイラク戦争に反対する目的でテロ行動を起す場合に、「アルカイダ」という組織名称をブランドとして利用しているのだという見方を示すようになってきた。誰がテロを起してもアルカイダだと勝手に名乗る。それは捜査の撹乱にも繋がる。ここで我々が考えなくてはいけない問題は、テロを起す側がアルカイダの悪のブランドを利用しているという事だけではなくて、アルカイダをテロのブランドに仕立て上げたのはイラク戦争を起した側、つまり米国であるという事実だろう。仮にアルカイダ・ブランドがテロを起している側に逆利用されていて、それが米英にとってマイナスの結果に作用しているのだとすれば、そうした状況を作り出してしまった張本人は米国である。アルカイダのシンボルを一人歩きさせたのはブッシュ政権の中枢で戦争政策を推進したネオコンだ。

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# by thessalonike | 2005-07-11 23:20 | テロ ・ イラク戦争 (3)   INDEX  
選択のとき - テロから身を守る方法はイラクから撤退すること
b0018539_1036145.jpg不幸にして、また森本聡や水口章がテレビで荒稼ぎする憂鬱な季節を迎えた。イラク戦争が始まる直前、二年前の2月にロンドンでは百万人の市民が参加する空前の反戦デモが起きた。イラク戦争への抗議行動としては最大規模のものである。英国市民がそこに参加したのは、単に無辜のイラク民衆の生命を米軍の侵略戦争から守るためだけではなく、自分たち自身の安全を守るためでもあった。英国が米軍のイラク攻撃を支持し、さらに英軍がイラク戦争に参加すれば、当然、報復としてイスラム原理主義の過激派からテロの標的として狙われる。ニューヨーク911の二の舞になる。だから市民たちは必死になってイラク戦争を阻止しようとしたのだ。今回、犠牲になった五十名超の中には、そのときの反戦デモに参加した者もいるだろう。犠牲になった市民の冥福を祈るとともに、英国がイラクから軍隊を撤退する決断を下すことを願いたい。同様の列車爆破テロはイラク開戦から一年後の2004年3月にスペインのマドリードで起きている。このときも三つの駅で四つの列車が爆破されるという同時多発テロで、二百名の市民が犠牲となった。

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# by thessalonike | 2005-07-08 23:01 | テロ ・ イラク戦争 (3)   INDEX  
野田聖子の一言 - 国民と政治家と利害代表についての雑感
b0018539_12354324.jpg前回の稿で触れた城内実の造反茶番劇はとんでもないヤラセ芝居だった。昨夜6日夜に放送されたNHKの『クローズアップ現代』にその全てが映し出されていたが、芝居は城内実の自作自演ではなく、実際には安倍晋三がシナリオを書いて、二人で二日間かけて熱演した政治ショーだった。人を馬鹿にした話だ。一昨日夜に『報道ステーション』でこの一件が紹介されたとき、私はてっきりテレビ朝日のカメラマンが議場で偶然に城内実の異様な姿を捉えてそれを撮影したのだと思っていたのだが、それはまるっきり嘘で、予め安倍晋三がテレビ朝日他の全テレビ局に指示を出して城内実を撮らせていたものだった。初めから仕組まれた芝居だったのである。城内実の造反芝居は一昨日の『報道ステーション』だけでなく、昨日の各民放局のワイドショー番組でも横並びで放送されていて、安倍晋三が各民放局に手を回していたことが覗い知れる。NHKの『クローズアップ現代』はその中でも最も念入りなもので、採決前日に安倍晋三が城内実を国会内の部屋に連れ込んで説得する場面をNHKの番組スタッフが撮るという凄まじいヤラセぶりだった。

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# by thessalonike | 2005-07-07 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
郵政民営化と靖国参拝 - 一石二鳥と政界再編の解散総選挙
b0018539_22444297.jpg昨日の郵政民営化法案可決劇の報道で面白かったのは、『報道ステーション』で特集された城内実の造反茶番劇の一幕である。ご覧になった方も多いと思うが、コントを見ているようで爆笑してしまった。城内実は森派所属の当選一回議員で、静岡七区選出の四○歳。採決の前に議場席で「どうしよう、どうしよう」と手を震わせ、机に顔を伏せたり上げたりして、迷い抜い抜いている様子を露に表現した。あまり目立つので、「迷っている若い議員がいるぞ、あれは誰だ」という話になり、テレビ朝日が撮ったのである。するとお誂え向きに親分の安倍晋三がノコノコやって来て、城内実を議場の後方に連れ出し、バカな真似はするんじゃないと釘を刺す場面まであった。結局、安倍晋三の説得の甲斐なく城内実は青票を投じ、採決後にはテレビ朝日のインタビューで「安倍政権実現のために粉骨砕身させていただきますと申し上げました」とシラッと言いのけた。若いのに芸達者な男である。古館伊知郎の話では、城内実の後援会の有力者が特定郵便局長会の大物なのだと言う。城内実にとっては最高の票決結果となった。

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# by thessalonike | 2005-07-06 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
参院での採決は不可能 - 失業者を量産するだけの郵政民営化
b0018539_9272622.jpg僅差五票の可決劇は都議選に続く「小泉政治の終わりの始まり」の第二幕である。一昨日夜の時点でのテレビの報道番組では、執行部の締めつけが奏功して造反者はニ○名程度に止まるだろうという予測が殆どだった。私は都議選の分析を書き終えた後だったので、『TVタックル』の三宅久之の発言を含めて、マスコミの政治解説があまりに杜撰で状況を正確に理解していないのに呆れていたが、蓋を開けてみれば、やはり造反者は五○名を越える多さだった。採決の後に小林興起が勝利感に溢れて声を弾ませていたように、あと三人造反していれば法案は否決されていたのである。いま最も後悔しているのは、橋本派の中で造反に踏み切れなかった当選回数の少ない若手だろう。執行部の脅しに屈して白票を投じてしまったが、法案は成立するかどうかも怪しく、次の選挙では「裏切り者」として特定郵便局長会の支持を得られない。今回は青票を投じた者の勝ちなのだ。野田聖子が語ったとおりで、「たとえ党の方針でも投票していただいた国民の方を不幸にする選択はできなかった」という判断が正しい判断なのである。

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# by thessalonike | 2005-07-05 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
解散を不可能にした都議選結果 - 小泉政治の終わりの始まり
b0018539_9523531.jpg4日の朝日新聞を開いて読んだところ、都議選関連の記事が六面を割いて大きく報道されていたが、不思議なことに選挙結果が郵政民営化法案の衆院採決に及ぼす影響について論じた記事が一つも無かった。朝日新聞の見出しは、「民主伸張、自民は後退」になっている。社会面の見出しは「風消え自民キツかった」。大見出しは選挙結果を一言であらわすその言葉でよいが、私が記者なら小見出しのところか、あるいは小見出しに続く要約記事のところに「衆院解散は困難な情勢に」の一言を入れる。それが新聞記者というものだ。今回の都議選についての一般国民の関心はその点に関わってのみあったはずである。自民党の勝利が明確であれば小泉首相の郵政法案に対する強気に追い風となり、造反議員への圧力となって本会議での票の動きが政権与党側に優勢になる。逆に自民党が敗北すれば小泉首相に逆風となり、解散がしづらくなって郵政民営化反対派議員を勢いづかせる情勢となる。都議選の結果を総括する新聞記事は郵政民営化法案への影響に触れなければならなかった。

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# by thessalonike | 2005-07-04 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
AMDによるインテル提訴 - 営業妨害の争点と裁判の予想
b0018539_11564177.jpg日本AMD株式会社は6月30日、東京高等裁判所(東京高裁)および東京地方裁判所(東京地裁)に対して、インテル株式会社に対する損害賠償請求を2件提起した。 (略) この訴状には、国内PCメーカーに対して資金提供などを条件にカタログやWebサイトからAMD製プロセッサを搭載したモデルを削除するよう指示したこと、AMDの新製品発表会に参加を予定していた顧客に圧力をかけ参加を辞退させたこと、などの妨害行為があったと記載しているという。 さらに、あるイベントにおいてAMD製CPUを搭載したPCをインテルが全台買い取り、代わりにインテル製CPUを搭載したPCを無償提供したこと、PC雑誌編集者に対して圧力をかけ、雑誌に掲載を予定されていたAMD製CPUに関する記載を削除させたり、性能評価記事の内容などを修正させたともしている。これらの行為の具体的な内容は明らかにされてないが顧問弁護士は「それなりの具体的な事実をつかんでいる」としている。  (6月30日 Enterprise Watch


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# by thessalonike | 2005-07-01 23:30 | プロフィール ・ その他   INDEX  
郵政民営化と植民地金融経済 - 市場原理主義者の論理と狂気
b0018539_12103870.jpgTBSラジオに亀井静香が登場して郵政民営化反対の論陣を張っていた。我々から見ればすでに周回遅れの過去の人のように見えるが、政治家というのは何歳になっても不気味に生き生きとしているから不思議な生きものだ。権力への夢はまだ捨てていないらしい。民営化反対の主張と論理は基本的に是とするべきものだろう。殆どのマスコミが言っているように、課題山積の現在の日本で、なぜ国会議員がこの問題でかかりきりになって時間とエネルギーを費やさねばならないのか国民は理解できない。小泉改革の総仕上げという触れ込みだが、小泉純一郎が首相になる前から、国民はこの男が(元気よくバカの一つ覚えで)連呼する郵政民営化の意味が理解できず首を傾げていた。意味の問題から先に結論すれば、金子勝が論評しているとおりで、郵貯を廃止して財投の蛇口を閉めると言っても、特殊法人の整理に手が着けられないかぎりは赤字国債が発行されて政府の無駄遣いはなくならない。財政改革の大義をもって郵政民営化を正当化する論法は詭弁である。

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# by thessalonike | 2005-06-30 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅰ (15)   INDEX  
天皇陛下の平和外交 - 象徴天皇制の理念を具現化する陛下
b0018539_9403154.jpg天皇皇后両陛下のサイパン慰霊のTV報道を見ながら、感じたことを急ぎ書きたくなった。天皇陛下は立派である。この人にはありったけの賛辞を惜しみなく与えられる。例の韓国人戦没者慰霊塔への突然の弔問は天皇陛下ご自身の希望によるものだったと伝えられている。懼くそのとおりだろう。日程を隠したのは宮内庁の政治的配慮だと言う。天皇は最初から韓国人慰霊塔の訪問に前向きだったが、政府(官邸)がそれを快く認めようとせず、両者の妥協の結果として公式日程にはない電撃訪問の形式が採用されたのである。わが国の現政権がいかに右翼的で反動的な性格のものかがよくわかる。政府として天皇を韓国人慰霊塔に訪問させたのではなく、天皇が個人的に訪問したのだという既成事実にしたわけだ。例の「昭和天皇の靖国神社への私的訪問」の政治を想起させる。その政府を押し切って韓国人慰霊塔訪問を敢行した天皇陛下は立派だった。無能で失点だらけの政府外交を天皇陛下が必死にカバーしてくれている。

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# by thessalonike | 2005-06-29 23:30 | 憲法 ・ 改憲 ・ 平和 (7)   INDEX  
現代版「慶安の御触書」としてのクールビズ - 格差固定の逆作用
b0018539_11554050.jpg梅雨明けの日程を三週間以上前にして、早くも日本列島に真夏の季節が襲来した。今年も暑い。政府のクールビズキャンペーンが始まってから一ヶ月が経ったが、電車の乗客や街を歩くサラリーマンを見ると、政府が囃し立てたようには普及は進捗していないように見える。外回りで事務所と得意先を移動している男たちは、皆、シャツの襟にネクタイを締め、そして上着を身に着けて、片手の携帯電話を玩具のように弄くっている。その姿は例年と変わることなく、クールビズのプロモーションなど何もなかったかのようである。最近、今回のクールビズは現代版「慶安御触書」ではないかと思えて仕方がない。慶安御触書というのは、中学校や高校の歴史教科書にも出てくるから誰でも知っていると思うが、徳川幕府が1649年(慶安2年)に発令した当時の農民の生活を統制するための法令であり、生活の細部にわたって禁止事項や奨励事項を小うるさく書き示している。酒・茶・煙草は飲むなとか、早起きして草を刈れとか、夜は縄をなえとか、米を食わずに雑穀を食えとか、遊び好きな嫁は離縁しろとか、年貢はきちんと納めろとかである。

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# by thessalonike | 2005-06-28 23:28 | プロフィール ・ その他   INDEX  
韓国映画『スカーレット・レター』(2) - ラブシーンの映像表現
b0018539_1375163.jpg『スカーレット・レター』はイ・ウンジュの裸体の露出だけが売り物の低級な映画だったが、イ・ウンジュのエロスを作品のキーのコンテンツにするのなら、もう少し感動的で説得的な映像の製作を工夫して欲しかった。率直な感想を言えば、この監督は男と女の愛についてイマジネーションが貧困で、性を表現する知性に乏しく、アイディアを持っていない。ラブシーンがメインの映画なのだから、監督(ピョン・ヒョク)はそこで表現のアイディアを出さなくてはいけない。二人の会話の言葉にせよ、セックスに至るプロセスの演出にせよ、結ばれる体位やカメラワークにせよ、何をどう観客に見せるのか、見せたいのかというラブシーンのコンセプトがなければならない。この映画にはそれがなく、配慮されていたのはイ・ウンジュのスレンダーな肢体をどうやって胸と局部を隠してカメラに収めるかという工夫ばかりだった。イ・ウンジュの細い脚やくびれた腰の線は見事に映像になったが、主人公の二人が愛し合ったという確信はよく持てない。

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# by thessalonike | 2005-06-27 23:04   INDEX  
イ・ウンジュの遺作『スカーレットレター』 - 韓国映画の性愛表現 
b0018539_11141018.jpgイ・ウンジュの遺作となった話題の作品『スカーレットレター』を有楽町シネカノンで見てきた。期待して劇場まで足を運んだのだが、残念ながら全く面白くなかった。韓国映画も全部が全部面白いわけではない。駄作も多い。これまで映画館で六本、DVDで四本、合計十本の韓国映画を見たけれど、面白かったのはそのうち五本で、題名を並べると、『シュリ』『JSA』『猟奇的な彼女』『ブラザーフッド』『スキャンダル』である。無論、ブログにも書いたように『ブラザーフッド』が圧倒的に抜きん出ている。残りの五本は面白くなかった。途中で見るのをやめた作品も二本ある。この作品はある殺人事件の謎解きを主軸にしたサスペンス・ミステリーだが、映画の売りはイ・ウンジュの裸体である。イ・ウンジュが脱いで大胆なラブシーンを演じ見せるというのが最大のセールスポイントであり、自殺事件とは無関係に、この作品が客を呼ぶバリューはそこにだけあったのだろうと思われる。韓国でこの映画がどのように評されているかは知らない。

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# by thessalonike | 2005-06-24 23:30   INDEX  
日韓首脳会談によせて(3) - 靖国参拝派の巻き返しの政治
b0018539_1391771.jpg予想していた事だが、日韓首脳会談が終わった途端に、またぞろ国内右翼が活発に動き始め、靖国参拝貫徹論が息を吹き返して頭を擡げてきた。小泉帰国と同時にあの森岡正宏がまた公式の場で東京裁判無効論の暴言を放ち、その場で小泉首相の靖国参拝を強く求め、また安倍晋三も久しぶりに自分の顔をNHKニュースに登場させて、新追悼施設慎重論を茶の間に向けて流させた。森岡正宏が出席した超党派の「日本会議国会議員懇談会」は首相が引き続き靖国神社を参拝することを支持する決議を採択し、安倍晋三は当選一回から五回までの議員四○人余を集めて靖国参拝支持の勉強会を発足させる。靖国参拝派の巻き返しが始まった。昨夜の7時のニュースでは、驚いたことに神崎武法が新国立追悼施設調査費の予算化について、それを後退させる発言をしていた。裏で安倍晋三を中心とする参拝派の強烈な巻き返しが始まって、公明党に何か取引を策したのに違いない。都議選の候補者調整絡みか、それとも何か福祉予算関連の話か。

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# by thessalonike | 2005-06-23 23:30 | 竹島問題・日韓関係 (8)   INDEX  
日韓首脳会談によせて(2) - 外務省を代筆する朝日新聞社説
b0018539_11235012.jpg6月22日は独ソ戦の開始日として記憶にあるが、1965年に日韓基本条約が締結された日でもあるらしい。条約締結四○周年を記念した記事が朝日新聞の社に上げられている。首脳会談の前から内容を準備していた記事のようで、タイミングを合せて紙面に掲載した感がある。首相の靖国参拝について日本の軍国主義復活を示すものではないと弁護した昨日の社説には驚愕させられたが、今日の社説もお粗末きわまりない。一言で言えば、これは外務省のメッセージの代筆である。20日に青瓦台で小泉首相が記者発表の席で読み上げた内容と同一の基調であり、日韓友好を演出して訴求する外務官僚の作文であり、すなわち欺瞞外交の謳歌礼賛である。朝日新聞とNHKはこの国の貴族として同僚の外務省と一心同体のように癒着している。社説は3月の盧武鉉大統領の日本批判を槍玉に上げ、また韓国に対して「韓国にも、過去の被害ばかりを振りかざさない寛容さがほしい」などと言っている。本質をスリカエた押しつけがましい言い分だ。

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# by thessalonike | 2005-06-22 23:30 | 竹島問題・日韓関係 (8)   INDEX  
日韓首脳会談によせて - 欺瞞外交の終焉と朝日新聞の右傾化
b0018539_12274334.jpg昨日の日韓首脳会談について、日本の新聞各紙は単に「歴史認識の溝埋まらず」の上っ面だけの公式報道に終始していたが、海外のニュース記事を見ると、記者たちの関心を強く惹いたのは、むしろ会談そのものよりも会談に対して韓国の民衆が示した反応の方であったことがよくわかる。日本では映像を含めて殆ど情報が伝えられなかったが、ソウルの市民たちは小泉首相の訪韓に対して渾身から拒絶の意思を表明し、憤怒の感情を爆発させている。日本の指導者が韓国を訪問してこれほど激烈な反対行動が起きたのは、これまでの日韓関係の中で例の無い異常事態ではないか。抗議デモは複数発生している。APとAFPとロイターは、ソウルの日本文化センターの前で警官隊に逮捕される若者たちの姿を報じている。また日本大使館前にも抗議団体が押し寄せて、例によってライジングサン・バーニングの過激な絵が撮られている。小泉首相を乗せた車の車列が通る沿道にも大勢の市民が集結して、プラカードを掲げて抗議の声を上げていた。

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# by thessalonike | 2005-06-21 23:30 | 竹島問題・日韓関係 (8)   INDEX  
歴史認識と自己認識 - ブリッジとしての司馬遼太郎
b0018539_14575721.jpg歴史教科書におけるナショナリズムの問題について考えつつ、それと密接に関連する問題として、歴史とは物語なのかどうかという議論に関心が向いて行く。歴史という知識や学問における物語性と科学性という問題をどのように整理して、納得的な暫定解を置けばよいのかという課題に逢着して、それを簡単に回避できない気分になるのである。歴史認識には物語と科学の二つの矛盾する要素が存在する。虚構と真実の問題と考えてもよいかも知れない。結論を急ぐ必要はないのだが、現在の歴史学が提供しているテキストが、過去の事実を全て間違いなく再現し構成した無謬のものだと考えるのは、あまりに早計で幼稚な知的態度であると言えるだろう。史料は新発見されるものであり、再発見されるものである。史料批判こそが歴史学であり、史料の価値と評価は時代によって変動する。同じ史料の意味づけが変わることで歴史認識が変わる。そして史料の意味転換を媒介するのは、多くの場合、時代の政治を反映した歴史学者の視角転換による。

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# by thessalonike | 2005-06-20 23:30 | 歴史認識 (7)   INDEX  
国民主義的歴史認識の両極分解 - 脱構築と皇国史観
b0018539_15281323.jpg歴史認識とナショナリズムの問題についてさらに考察を続けたい。西尾幹ニの『国民の歴史』を読んだのは六年前である。初版第1刷を買った。774頁の分厚い本で、時間は少しかかったが最後まで読んだ。あれくらいの分量の本を最後まで読了することは滅多にない。前半に登場するところの漢字を仮名にする話が面白く、予想した以上の知的刺激があったので、後半もそういう興味深い話題が登場するのではないかと期待して最後まで読んでしまったのである。豈に図らんや後半は全く期待外れで、近世以降は全然面白くなく、近現代史は滅茶苦茶だった。これはあの本の読者の一般的感想ではないかと思われる。古代史、すなわち中華文明(中華帝国)から日本が古代国家として独立する歴史過程の叙述が斬新で説得的だったのである。その評価は現在でも変わらない。思想としての漢字文化を様式受容しつつ換骨奪胎し、時間をかけて仮名開発に成功、文化的独立を達成する問題への着眼は、西尾幹ニの方法的オリジナルではなく、他の研究者の所論を自説の如く展開しただけだったようだが、何れにせよインパクトのある議論であり、今後、さらにこの視角で研究分析が深められて行くことと思われる。

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# by thessalonike | 2005-06-17 23:30 | 歴史認識 (7)   INDEX  
高文研 『日本・中国・韓国共同研究-未来をひらく歴史』 (3)
b0018539_16375896.jpgナショナリズムの歴史認識の問題について続けたい。明石書店から出ている韓国と中国の歴史教科書を立ち読みで読んだことがある。中韓それぞれ小学校、中学校、高等学校の歴史教科書が出版されていて、全部揃えれば六冊になる。商品として魅力的で食指が動くのだが、一冊の価格が三千円から六千円と高く、残念ながら貧乏人には手が出せない。仕方なく中学校と高校用の二冊ずつ計四冊を本屋で立ち読みした。立ち読みしたところでの感想を言うと、特に中国の歴史教科書は面白くて、いい感じの中身に仕上がっていた。TBSの『ブロードキャスター』の報道などでその強烈な「反日」傾向が槍玉に上げられ批判されていたので、相当に偏向したものを予想していたのだが、実際にはそのような記述は皆無だった。むしろ無さすぎて不満に感じたほどで、期待した抗日戦争に関する項もきわめて分量が少なく、過激な表現を探したこちらが落胆させられるほどだった。率直に言って中国の歴史教科書はとてもよく出来ている。過不足のない端正な社会科学の方法的センスが感じられ、何となく懐かしさのようなものを覚えさせられた。優秀な著者が自信を持って筆八分でサラリと書き纏めている。

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# by thessalonike | 2005-06-16 23:30 | 歴史認識 (7)   INDEX  
高文研 『日本・中国・韓国共同研究-未来をひらく歴史』 (2)
b0018539_10233484.jpg
『未来をひらく歴史』は、日本の韓国併合過程での強制性の認定、皇民化政策を含む植民支配の問題点の批判、日本軍の“従軍慰安婦”の強制動員被害者、そして南京大虐殺などの中国側の被害などを特徴としているという点で、扶桑社の歴史教科書と異なる。しかし、執筆過程には様々な対立があった。自国中心の歴史認識に慣れている韓・中・日の執筆者達が集まって『未来をひらく歴史』を作る過程は、歴史的観点、時期区分の問題などに対する持続的な調整過程を必要とした。(略) 「日本側は明治維新を含む日本の主要事件を基準として時期を区分し、その時期ごとに3カ国の歴史がつながる関係を中心として記述することを提案した。しかし、韓国と中国の執筆者はこのような認識は日本が東アジアの近代・現代史の流れを導いたということを前提にするものであると判断し、日本中心の時期区分に反対した。日本側は韓国と中国の意見を収斂し『未来をひらく歴史』では、3カ国の各々の近代国家建設の過程及び侵略戦争などでの相互関係を考慮して記述された」 (5月27日 JANJAN)


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# by thessalonike | 2005-06-15 23:30 | 歴史認識 (7)   INDEX  
高文研 『日本・中国・韓国共同研究-未来をひらく歴史』 (1)
b0018539_13231457.jpg神田三省堂本店のエスカレーターを上がった四階正面に新しく売れ筋コーナーが設置されていた。前にジュンク堂新宿店の紹介を書いたときに、そこの新刊コーナーのプレゼンテーションが秀逸だという話をした覚えがあるが、神田三省堂本店のこの試みも悪くない。四階人文書フロアのベスト10を紹介してくれているからである。神田三省堂本店の四階はやはり別格的な存在で、本を読む者にとってきわめて重要な情報発信基地である。神保町に一歩足を踏み入れれば、三省堂四階には必ず立ち寄りをしなければならない。そのコーナーで売上第一位の商品として紹介されていたのが、高文研の『日本・中国・韓国共同編集-未来をひらく歴史』だった。先月ネットでもニュースとして注目されていたが、時節がら販売好調のようである。定価1600円、全223頁。手頃な値段で買いやすく読みやすい。まだ全部を読み終えてないが、中身も予想以上に充実していて、これは間違いなくお勧めできる一冊だ。

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# by thessalonike | 2005-06-14 23:30 | 歴史認識 (7)   INDEX  
クール・ビズは定着しない - 思想なき官製ビジネスカジュアル
b0018539_16313791.jpg電車に乗るとクロップドパンツとヌーディーなミュール姿の若い女たちが目立つようになった。梅雨の季節の日本の女の定番がこのスタイルなのかも知れない。この服装は身体がスリムであればあるだけ美しく見映えがする。そして梅雨も半ばを過ぎ、気温三十度を超える日が多くなると、ミュールの素足の上が艶かしいキャミソールになり、男たちにとっては否応なく性的欲望を刺激させられる季節になる。さてクールビズのお話だが、率直なところあまり芳しい印象がしない。最もディスアポイントなシーンだったのは、TBS『ニュース23』の筑紫哲也のかりゆしウェアのシャツ姿だった。年寄りがオフの格好をして公衆の面前に出ると本当に爺臭くなってしまう。隣の佐古忠彦がフォーマルなネクタイ姿だけに映像がアンバランスで何とも締りがなくだらしない。筑紫哲也に限らないが、シニアがシニアらしく仕事ができるイメージを演出するためには、どうしてもフォーマルなスタイルの手助けを借りる必要がある。それを崩すとイメージが壊れる。

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# by thessalonike | 2005-06-13 23:51 | プロフィール ・ その他   INDEX  
戦前と戦中の間 - 北朝鮮拉致問題は現代の満州事変である
b0018539_11111598.jpg今から七年以上前の話だが、TBS『ニュース23』の佐古忠彦キャスターが、筑紫哲也との合いの手の中で「今はもう戦後ではなくて戦前じゃないかという声もありますね」と小さく漏らしたことがある。この十年ほど佐古君は私のお気に入りで、大袈裟に言えば希望そのものだが、このときの一言は特別に印象深いもので、忘れられずにずっと心の中に格納されたままでいる。佐古君の端正で生真面目な風貌と正義と真実への真摯な態度は、日本のジャーナリズムの最後の良心を象徴しているようであり、このまま崩れず、崩されず、ずっと続いて行って欲しいと願うのみだが、佐古君のその言葉を引き継いで今の時代の本質を一言で射抜くなら、現在はまさに戦前と戦中の間である。戦中に一歩入り込んだ。その感を強くする。いつから戦中に足を踏み入れたのか。それは三年前の小泉首相の北朝鮮訪問から始まった拉致事件騒動の時からであり、街中やネット中に右翼の青リボンが氾濫し始めたときからである。

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# by thessalonike | 2005-06-10 23:30 | 北朝鮮問題考 (10)   INDEX  
核実験の代わりの核保有宣言 - 実質開始の米朝二国間協議
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北朝鮮の金桂冠外務次官は8日、米テレビ局ABCニュースとのインタビューで、北朝鮮は米国の攻撃を防ぐのに十分な数の核兵器を保有しており、さらに増やす過程にあることを明らかにした。金次官は、核兵器を保有しているという北朝鮮の従来からの主張を繰り返した。ただ、その規模についての言及は差し控えた。次官は通訳を通じて、「北朝鮮には米国からの攻撃を防ぐに十分な核兵器がある。何個保有しているかは秘密」と述べた。北朝鮮が核兵器を増やそうとしているかとの質問に対しては、「そうだ」と答えた。米本土を攻撃できるミサイルを持っているかという質問に対し金次官は、北朝鮮の核開発が米国を狙ったものではないと言明。「米国を攻撃する意図は全くない。そのような憶測を抱いてはいけない」と語った。 金次官は、「北朝鮮の科学者には、世界の他の地域の科学者に匹敵する知識があることを知ってほしい」とも述べた。 (6月8日ロイター)


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# by thessalonike | 2005-06-09 23:30 | 北朝鮮問題考 (10)   INDEX  
町村信孝の無能外交 - 安保理常任理事国入りをめぐる情勢
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国連安保理の常任理事国入りを目指す日本など4ヶ国が描いてきた計画が、米国からのブレーキで暗礁に乗り上げた。今月の提出、採択を目指した安保理拡大の枠組みを決める決議案をめぐって、最近は先送りを求める声が常任理事国拡大に反対する国以外からも出て、流れは変わっていた。「G4の枠組み決議案は3分の2の賛成を得ることはおろか、投票すらされないだろう」常任理事国拡大に反対する加盟国グループで作る「コンセンサス連合」のある大使は6日、常任理事国入りを目指す日本、ドイツ、インド、ブラジル4ヶ国で作るグループ「G4」封じに自信を見せた。国連では、ここにきて4ヶ国への包囲網が狭まりつつあった。中国やコンセンサス連合各国が決議案提出に反対する動きを強めたことに加え、6月に入って提出が現実味を帯びると、アフリカなどで賛否に躊躇する国が出始めたからだ。 (6月8日 朝日)


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# by thessalonike | 2005-06-08 23:46 | 米大統領選考ほか(5)   INDEX  
日韓首脳会談の前哨戦 - 日本の欺瞞外交の清算を迫る韓国
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靖国参拝も協議と韓国外相 日韓首脳会談で

韓国の潘基文外交通商相は1日の定例会見で、20日にソウルで開かれる予定の日韓首脳会談について「靖国神社参拝問題が両国関係の重要な問題の1つであり(首脳会談で)協議があると期待する」と述べ、靖国問題で日本側の対応を促すことになるとの見通しを示した。外交通商相は「盧武鉉大統領が具体的にどのような要求をするのか、日本側がどのような立場を示すのかは予想できない」と指摘。青瓦台(大統領官邸)や韓国政府内で今後、日本側にどういった対応を求めるかを詰めていくとみられる。

(6月1日共同通信-ソウル)


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# by thessalonike | 2005-06-07 23:30 | 竹島問題・日韓関係 (8)   INDEX  
読売新聞の旋回 - A級戦犯分祀論と国立追悼施設策の再浮上
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首相の靖国参拝を巡っては、以前から「問題解決」の方法としてのA級戦犯分祀論がある。だが、現在の靖国神社は、一宗教法人だ。政治が「分祀」せよと圧力をかけることは、それ自体、憲法の政教分離原則に反することになろう。「分祀」するかどうか、あるいは「分祀」できるかできないかなど、祭祀の内容を解釈するのは、一宗教法人としての靖国神社の自由である。ただ、国内にはさまざまな宗教・宗派があり、現実に、宗教上の理由からの靖国参拝反対論も多い。靖国神社が、神道の教義上「分祀」は不可能と言うのであれば、「問題解決」には、やはり、無宗教の国立追悼施設を建立するしかない。小泉内閣の誕生した2001年、福田官房長官の私的懇談会が、戦没者の追悼のあり方について検討を進め、翌年には国立、無宗教の追悼・平和祈念施設の建設を提言する報告書をまとめている。どのような施設にするのか、どう追悼するのかといった点で、報告書は具体性に乏しい面もあるが、早急にその内容を詰め、新しい追悼施設の建立に着手すべきだろう。  (6月4日 読売社説)


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# by thessalonike | 2005-06-06 23:44 | 靖国問題 (10)   INDEX  
中曽根康弘の変節 - 靖国か安保理か二者択一を迫った中国
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中曽根元首相、靖国参拝取りやめ求める (6月3日 朝日)

中曽根元首相は2日、都内であった後援団体の会合で講演し、小泉首相の靖国神社参拝について「個人的信条より国家利益を考えてやめるべきだ」と、参拝中止を求める考えを明確にした。 中曽根氏は「個人的信条と国家的利益を比較考量するのが総理大臣の仕事だ。個人的信念を通す誉れがいいのか、外交的障害を除くか」と問題を投げかけたうえで、「国連の常任理事国になろうというなら、2、3年前から、個人的信条を犠牲にしても中国、韓国との友好を長期的戦略として考えるべきだった」と述べた。 中曽根氏はまた、「小泉君がもっと早い段階で国益を考え自分はやめるといえば、やめぎわがよかった。それが国家の利益にプラスになるなら国民はわかる。やめる方が勇気を要するが、勇気のあることをするのが政治家だ」などと述べた。


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# by thessalonike | 2005-06-03 23:42 | 靖国問題 (10)   INDEX  
「平和に対する罪」 の法理を欠けば真実の解明は不可能だった
b0018539_12193724.jpg講談社刊の『東京裁判』上下巻をほぼ読み終わったところで感想を書き述べるが、やはり東京裁判と南京大虐殺の二つが密接不可分な関係の問題であることをあらためて痛切に考えさせられる。今回、森岡問題が起きた際に中国外交部の孔泉報道官が東京裁判の歴史的意義について若干触れ、その中で絞首刑七名の殆どが中国への侵略戦争の責任を問われたA級戦犯であった点が強調されていたのだが、なるほど確かにそのとおりであり、中国政府にとって東京裁判の意味がきわめて重大である理由がよく分かる。死刑判決を受けた戦犯七名の中で日中戦争に関係なかった者は一人もいない。軍人ではない文官の広田弘毅が異例の極刑に処せられたのも、南京大虐殺事件の当時の外相でありながら、大虐殺の報告を受けつつ、それを制止する措置を怠った不作為の責任が問われたことによる。松井石根と広田弘毅の死刑は、まさに南京大虐殺の責任を取らされたものであった。

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# by thessalonike | 2005-06-02 23:30 | 東京裁判 ・ 南京事件 (10)   INDEX  
東京裁判被告人の保身と矮小 - 『軍国支配者の精神形態』
b0018539_1714021.jpg東京裁判は日本の侵略戦争の真実を明らかにした裁判である。歴史はこのように短期にプロジェクトのワークによって一気に真実が暴き出される瞬間がある。言わば革命的な歴史の生産である。右翼が言うように、東京裁判は戦後日本の現代史認識に決定的な影響を与えたが、他方で侵略戦争の真実の全体像から昭和天皇の姿を隠したため、きわめて曖昧で不完全な「真実」が描き出される結果となった。話をジグソーパズルに喩えるのは、あまりに天皇の存在の過小評価になるが、現人神であり統帥権者であった昭和天皇のピースを欠落させて仕上がった昭和史の「真実」の絵は、たとえ何千ページ何万ページの証言記録や証拠文書で真実性が担保されたものであっても、所詮は何やら嘘臭い政治的虚像のように観念されてしまう。戦争犯罪の刑事責任を個人に適用するのだと宣言し、その法的根拠や普遍的合理性について渾身の熱弁を振るうウェッブやキーナンの姿を思い描きながら、それならどうして最も責任を問われなければならない個人が最初から訴追を免除されているのだと歯痒い思いがするのである。

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# by thessalonike | 2005-06-01 23:30 | 東京裁判 ・ 南京事件 (10)   INDEX  
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