人気ブログランキング |
民主党における岡田代表無風再選の政治 - 前原誠司の欺瞞     
b0018539_1134214.jpg民主党の岡田克也代表が昨日(8月30日)無投票の選挙で党代表に再任された。昨夜のNHKの7時のニュースでも扱いはきわめて小さく、台風16号やハンマー投げのドーピング問題や男子マラソンの前代未聞の走者妨害事件などの後に、ほとんどベタ記事扱いで報道されていた。結果は別として、秋だと思っていた代表選が8月中に開かれたのも少し意外だったが、最も奇異に感じられたのは、対立候補が一人も立たない無風選挙の中で党代表が選出されたという経緯と手法である。何故なら、民主党ほどこうした場合にいわゆる「話し合い決着」を嫌って、複数候補の立候補と選挙戦の形式を口うるさく言う党はなかったからである。前回の代表選は二年前の9月下旬に行われたが、そのときの選挙戦は相当に派手なものだった。最終的には鳩山由紀夫と菅直人の一騎打ちで決戦投票になったものの、そこに至るまでの間に何人もの若手幹部が角突き合わせて登場し、鳩菅の時代はもう終わったから次は俺にやらせろとテレビで咆哮していた。



b0018539_11341389.jpgその中の一人がネクストキャビネットで影の外相をやっていた前原誠司であり、衆院当選3期目(京都2区)ながら今や堂々たる民主党の大幹部様の一人だが、この男が田原総一朗の前で言っていた言葉を印象的に思い出す。曰く、「民主党の代表選は絶対に自民党のような旧態依然の密室の談合政治にはしてはならない」。それが前原誠司の党代表選出馬の第一の理由説明であり、若手も含めて立候補したい人間が自由に出て選挙で党首を選ぶのが民主党だと力説していた。前原誠司は最終的には若手統一候補の座を松下政経塾の先輩である野田佳彦に譲って自分は降りたが、この機会を利用してマスコミで顔を売り、党内で他の同輩の若手を押しのけて一歩前に出る序列優位の獲得に成功した。私の記憶では、テレビ朝日の日曜日の生放送の番組のスタジオで、野田佳彦と向かい合って政策議論をひととおり演った後、田原総一朗に「降りて先輩に譲るつもりはないか」と訊かれた前原が、上の言葉で田原総一朗に応酬して不退転の決意を示した。

b0018539_11342674.jpg今回、前原誠司の立候補はなく、そのコメントも不明である。岡田克也そのものが若手の第一人者であり、鳩菅時代が終焉した直後だから、もはや世代交代の大義名分はなく、敢えて代表選に出馬する必要も理由もないのかも知れない。だが、二年前の前原誠司の言葉を正しく政治家の政治理念であると受け止めるのなら、彼は今回の話し合い決着の無風選挙に対して断固として拒否して代表選に立候補するべきであり、今回立候補しなかった態度と事実は、前回あれだけ口酸っぱく述べた政治信念へのあからさまな裏切りと言えるはずである。それは単に前原誠司一人の問題ではなく、民主党の政治理念を問う根本的な問題だろう。自分たちは自民党とは違う新しい時代の新しい党であると言うのが民主党の売り文句であり、その清新なイメージを前面に出してこれまで党勢を拡大、二大政党の一つに成長してきた。前回の菅直人辞任と岡田克也新代表決定の経過を辿っても、年金未払問題から発生した突然のハプニングであったにせよ、政治的に透明で公正な手続きが全うされたものではなかった。

b0018539_11343743.jpg紆余曲折の末に小沢一郎の裁定で決着した印象が強い。前回5月の代表後継決定も、今回の代表選挙も、まさしく密室談合政治そのものであり、小渕恵三が倒れた後に野中広務が密室で森善朗を後継に裁定した自民党の政治手法と根本的に何ら変わるところはない。違うのは、せいぜい岡田克也が参院選に勝利した実績を持つという点だけであり、代表に選出されてまだ日が浅く、他に小沢一郎が後見を受容する有力な右派の若手幹部がいないという事情だけだろう。小沢一郎が裏で権力を操縦する民主党に党の意志決定の透明性や公正性を期待するのは無理であり、小沢一郎がこれまで保守党や自由党で一貫させてきた手法を踏襲しようとするに違いない。人事も政策も密室になる。政策で自民党と野合するにせよ、或いは昔の新進党時代のように国会に座り込んで物理的対決を演出するにせよ、司令塔は小沢一郎で、3年後の総選挙のみを見据えた政治運営になるに違いないと私は見ている。期待したくても民主党に期待はできず、そして政治がどんどん自分から遠い世界に離れて行く。

b0018539_2385776.jpg

by thessalonike | 2004-09-01 22:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
<< 韓国映画『ブラザーフッド』(6... Indexに戻る