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乙部綾子の旅立ちの時とライブドア問題の今後の展開   
b0018539_2241558.jpg先週あたりから堀江貴文のメディア露出が少なくなり、代わって広報担当の乙部綾子がテレビ出演のフロントに立つようになった。ライブドアの作戦の変更だが、深読みすると面白いかも知れない。ライブドア社員の年収は平均で400万円程度だと言われている。若い社員が多いせいもあるだろうが、世間一般の大企業と較べてかなり低い相場で賃金が抑えられている印象は否めない。その分、ストックオプションで手当しているという噂もある。乙部綾子の単独テレビ出演は、ストックオプションではないにせよ、ここで芸能界に巣立つ機会を与える堀江貴文の「成功報酬」ではないのか。乙部綾子だって仕事は派手に見えるが、株式会社ライブドアの若手社員の一人である以上、その給与体系の例外に立つ者ではあるまい。テレビ局や芸能プロから声がかかれば、一躍億万長者のシンデレラに化けることも可能になる。



b0018539_22405420.jpg社員の平均在籍期間が1年と言われているライブドア。乙部綾子が堀江貴文を見限り、堀江貴文が乙部綾子を見切って、そろそろ互いに円満に別れる準備を始めたと考えても、さほど穿った見方とは言えまい。代役をやりたい女は無数にいるし、フジテレビ買収劇の一件が終わって、暫くメディアの表面から消えても、再び堀江貴文を担いで世間を騒がせ、一攫千金を企む悪賢い人間も多くいる。リーマンブラザーズは今回の買収騒動で、わずか2ヶ月のうちに百億円を荒稼ぎした。資金を右から左に動かしただけで濡れ手に泡の百億円。日本はかく儲かる。米国の金融資本にとって堀江貴文は日本でマネーゲームを仕掛ける上でのバブルエンジェルだろう。フジテレビと同様の資本構造の問題を抱えた事業体は他にもあるだろうし、堀江貴文が役者になって動けば、テレビカメラはその一挙手一投足を必ず追いかけて報道する。

b0018539_22411727.jpgその堀江貴文の本当の狙いはどこにあるのだろうか。今回のSBIの動きを受けて、堀江が取得したニッポン放送株をフジテレビに売却譲渡する可能性は十分にあると言われている。が、それはそもそもの堀江貴文の狙いではない。堀江貴文の狙いはあくまでフジテレビをライブドアの資本傘下に入れて、フジテレビの経営に直接影響力を行使するところにある。ライブドアグループの総資産(総資本)を増やし、顧客数と事業規模でヤフーを凌駕するネット企業になることが今回の買収行動の目的であり、単にニッポン放送株を右から左に動かして利益(現金)を得ることが堀江貴文の本来の目的ではなかったはずだ。だから、最後までそこを主戦場にした攻防を続けて、ソフトバンクと鍔迫り合いをするだろうし、仮にフジテレビの買収に失敗した場合は、他のメディアの買収へと触手を動かして行くだろう。例えばTBS。

b0018539_22412525.jpg仮の話だが、この騒動の後で、何か本格的にソフトバンクとフジテレビが事業提携を始め、総務省と電機メーカーとアカデミーを巻き込み、デジタル放送時代の新しいコンテンツ配信のビジョンを打ち出し、放送法改正や著作権法改正なども含めた大掛かりなイニシアティブを作り出す動きに出たとすれば、これは複数の産業に跨る巨大な規模の業界再編となり、日本テレビやTBSもその動きを無視し得なくなる。ソフトバンクのようなパートナーを探して組まなければならない事態に直面するだろう。そうなれば、当然ながらライブドアにも白羽の矢が当たり、敵対的ではなく逆に歓迎的な姿勢でライブドアに接近する放送事業者が登場する局面も予想される。堀江貴文にすれば瓢箪から駒の話になるが、今回の事態をそのような大きな流れへの一里塚として見ている業界関係者は少なくないだろうし、5年前のITバブル崩壊で挫折したところの「夢よもう一度」と願っている人間も多くいるだろう。

b0018539_22413424.jpgそしていずれにせよ、堀江貴文においては単に口先だけの「メディアとネットの融合」に過ぎないが、そこの世界で具体的な将来構想を描く作業は誰かがやらなくてはいけないし、放っておけば、またISDNやHDTVと同じ失敗の繰り返しになってしまう心配がある。日本独自の最先端技術仕様(構想)を意気揚々と掲げながら、その実現を官僚とお役所的な大手企業に任せ、ズルズルと無駄に時間と予算を浪費し、そのうち技術で外国に追い越され、遅れたローカル仕様だけが惨めに残るという構図。下手をすれば、今は誰もが想像できない話だが、本当にテレビのドラマやニュースもNYやSFで日本向けのものを製作して、それをトランスレーションしたコンテンツが日本の茶の間にリアルタイムで配信されるなどという絵がリアルになるかも知れない。そこまでの展開を現時点で予想するのは時期尚早だが、今度の堀江貴文の買収騒動は、弾みとなってそういう大きな動きへわれわれを導く可能性がある。
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堀江貴文がテレビに出続ける理由 - 教祖と信者の構図
by thessalonike | 2005-04-02 22:39 | ライブドア問題考 (2)   INDEX  
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