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竹島問題(3) - 暴走しているのは日本のネオコンである
b0018539_16341774.jpg今月号の岩波『世界』が盧武鉉大統領の3月23日の談話を掲載している。最近思うのは、もはや日本の国内には政治勢力としての野党が消え失せ、代わりに、結果的に韓国や中国が日本政治における野党の役割を果たしていることである。国内に右翼化の進行を抑止できる存在がなく、情けないことに政治のチェックアンドバランスの機能を近隣諸国の政府と世論に期待している。大政翼賛会の原状に復帰した日本の国会には何の仕事もなく、与野党間には何の政策的対立もなく、国民の関心も集まらず、議事堂は暇な議員が昼寝して携帯で遊ぶ休憩場所となっている。社民党や共産党には存在感の影もなく、絶滅危惧種同然の姿を晒しながら、それでもなお微塵も危機感が感じられない。選挙になれば同じ顔が出てきて同じことを言い、同じように惨敗して終わり。無責任きわまりない。



b0018539_16343116.jpg日本国内には野党が存在しない。煎じ詰めて言えば、現在の日本の政治において、本来の意味の「野党」は二人だけしか存在しない。一人は天皇陛下であり、もう一人は盧武鉉韓国大統領である。二国の元首が日本の平和と民主主義の守護神の存在である。天皇陛下だけが憲法と民主主義の守護者として最後まで奮闘されるこの国の政治のパラドックス。憤懣やるかたない。国会は開会中なのに、この重要な外交問題について何一つ真剣に議論しようとしない。汗をかいて仕事しているのは韓国の国会議員たちだ。日本のマスコミは肝心な情報を国民に知らせず、韓国政府と韓国国民が一方的に興奮して日本を感情的に非難しているように演出し、恰も韓国側に問題があるかのように状況を説明している。そもそもの今回の事件の発端は「竹島の日」条例の発議にあるのに。

b0018539_16344968.jpg韓国のマスコミは、小泉政権の中枢幹部が今回の条例制定に関して裏で糸を引いていた疑惑を報じている。官房長官の細田博之と参院議員会長の青木幹夫。この二人が「竹島の日」条例の制定に無関係であったはずがない。青木幹夫は党島根県連の会長である。青木幹夫が一言やめろと言えば条例の制定はなかっただろう。町村外相が昨日の日韓外相会談で言ったように、もし本当に小泉政権が95年の村山談話の路線に忠実に日韓関係を考えているのであれば、当然、条例制定の政治的動きが島根県で発生した時点で、党執行部が島根県連に対して自制を促していたはずだろう。だから、町村外相の会談での説明は嘘(タテマエ)であり、小泉首相の韓国側に冷静を呼びかける発言も欺瞞である。島根県の問題は漁業問題であって領土問題ではなく、条例制定は不必要だ。

b0018539_1635031.jpg条例の制定を強行させたのは、意図として明らかに韓国に対する挑発行為であり、要するに韓国の国民感情を刺激して沸騰させるように仕向け、韓国国内で再び大規模な反日行動を現出させ、それを日本のマスコミに報道させ、「反日韓国」の扇情的映像を流し続けて日韓関係を悪化させようとした周到な政治的謀略である。仕掛けているのは常に日本の方なのだ。今回のイスラマバードでの外相会談では、竹島をめぐる教科書問題が議論になったが、本来、韓国としては教科書ではなくて「竹島の日」条例の制定経過そのものを問題にして正面から日本側を追及すべきだった。条例制定に政権中枢の幹部が関与している事実は、明らかに村山談話の主旨と矛盾する。その矛盾を衝けば、小泉政権の欺瞞外交の真実が暴露され、町村外相の詭弁(ウソ)は破綻したはずだった。

b0018539_1635979.jpg日本のマスコミは、島根県条例制定の政治的真実に迫ろうとせず、真相から目を逸らし、韓国の一部右翼の過激な反日行動ばかり集中的に映像で流している。安倍晋三や石原慎太郎ら右翼の思惑どおりに着々と日本国民の中に反韓感情を生成増殖させている。この現実を韓国側の一方的感情的反発という構図で既成事実化して押し固め、韓国の政府と国民を幼児的で非理性的な存在であるように戯画化して矮小評価させ、日本を被害者のように立場演出して国民を納得させている。そして戯画で描いた虚構の上で自己を正当化し、紛争の原因を韓国や中国に責任転嫁し、従来の村山談話的な平和外交路線が無意味であるように観念誘導を進めている。プロパガンダ。竹島問題は領土問題にしなくても漁業問題として応急的な事態打開は可能だった。暴走しているのは韓国ではなく日本である。

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by thessalonike | 2005-04-11 23:30 | 竹島問題・日韓関係 (8)   INDEX  
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