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本と映画と政治の批評
by thessalonike

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凋落の責任者は渡辺恒雄 - 解体と刷新が必要な読売巨人軍
凋落の責任者は渡辺恒雄 - 解体と刷新が必要な読売巨人軍_b0018539_16192591.jpgプロ野球改革元年の今季、巨人はセ連盟六球団の最下位を低迷している(5月8日現在)。巨人の苦戦については開幕前開幕時に予想したが、予想がそのまま的中した。3月の時点で堀内恒夫は「最高の状態でキャンプを終わった」などと言っていたが、それが全くの嘘だということが明らかとなった。何度も指摘しているが、堀内恒夫には組織を指導統率する人格的な能力がない。選手を見る目や育てる力もない。能力が欠如しているだけでなく性格が傲慢で無責任である。ミセリの失敗の件について堀内恒夫はそれを清武英利の責任に転嫁して逃げたが、ミセリ獲得を最終的に判断したのは堀内恒夫である。リリーフ投手陣の体制整備は巨人にとって昨季を終了した時点で死活の問題であり、時間と資金を投入して万全を期すことが求められた課題だった。堀内恒夫がそれについて真剣に取り組んだ様子はない。不真面目であった。ミセリ獲得の失敗、そしてリリーフ陣崩壊の責任は第一に堀内恒夫にある。



凋落の責任者は渡辺恒雄 - 解体と刷新が必要な読売巨人軍_b0018539_1614413.jpg堀内恒夫は本当ならすぐに辞表を出すべきであり、フロントは堀内恒夫を休養処分にして首脳陣を一新するべきなのだ。現状のまま残り試合を引き摺っても組織にとって何のプラスもない。時間を無駄に潰すだけで、ストーブリーグを盛り上げるだけである。監督がシーズン途中で解任されるのはサッカーならよくある話で珍しくはないし、以前はプロ野球でも屡々見られた光景だった。巨人が堀内恒夫を休養処分にできないのは、事実上のワンマンオーナーである渡辺恒雄がそれを承認しないからである。堀内恒夫をこの時期に休養させれば、原辰徳を解任して無理やり堀内恒夫を監督に据えた自分の責任に問題が及ぶ。だから渡辺恒雄は堀内恒夫を解任できない。二人は一連托生のコンビなのであり、パシリの滝鼻卓雄も清武英利も同じ運命共同体の一員なのである。球団の内部には誰も堀内恒夫の采配を批判できる幹部の者がおらず、また次を待っているOBも渡辺恒雄を憚って正論を吐くことをしない。

凋落の責任者は渡辺恒雄 - 解体と刷新が必要な読売巨人軍_b0018539_161152.jpgかくして責任問題は窮極の渡辺恒雄天皇のところまで遡上しつつ、その手前で立ち止まって組織のデシジョンにはならず、責任が曖昧にされたまま現実が変わらない。渡辺恒雄が巨人から手を引くまでこの状態が続く。士気が失われ、規律が弛む。原辰徳が批判していた元木大介の怠慢守備は言わずもがなだが、500号本塁打を放って東京へ帰還した次の日に試合を病欠した清原和博も同様だろう。急性胃腸炎で入院などサボリの口実に決まっている。清原和博は堀内恒夫と渡辺恒雄を見下していてバカにしている。屈辱的な負け試合ばかり演じている巨人軍にあって、視聴率を稼いでいるのは自分の人気だと知っているからであり、実際に日本テレビと報知新聞にとっては清原和博だけが商売の頼りであり、そのため現在の巨人軍の中で権力のステータスとして清原和博は堀内恒夫に並ぶのだ。清原和博には誰も文句を言えず、試合に出ようが休もうが、清原和博の胸先三寸となっている。正常なチームではない。

凋落の責任者は渡辺恒雄 - 解体と刷新が必要な読売巨人軍_b0018539_16142146.jpg十五年ほど前から強く意識するようになった問題で、特に長島茂雄が二度目の監督になってからその傾向に拍車がかかったが、巨人の選手は他球団の選手とは基本的にあり方が違う。簡単に言えば、彼らはテレビの野球娯楽番組の出演芸能人なのであり、野球というスポーツのアスリートではないのだ。スポーツをやっていない。テレビのタレントをやっている。清原和博、元木大介、仁志敏久。かつての宮本和知、大久保博元、長嶋一茂。お笑い芸能タレント特有の図々しさとふてぶてしさ、スポーツマン精神とは異質で対極のビヘイビアを当然のものとして身につけ、選手生活を送っている。巨人の場合は、むしろそうした態度や人格でなければやって行けないビジネス・カルチャーさえ感じる。技術と能力だけで純粋に勝負しようとする選手では、逆に異端者として排除されてしまうのではないか。読売芸能プロダクションの商業タレントなのであり、時代に迎合したキャラクターのパフォーマンスが商品なのである。

凋落の責任者は渡辺恒雄 - 解体と刷新が必要な読売巨人軍_b0018539_17255662.jpgそういうプロ野球を極限まで芸能界に接着させた歪な組織文化の基盤の上に、今度はさらにカネでチームを作りカネでゲームする金満主義が蔓延って、巨人はどうにも見ていられない醜悪な集団に変わり果ててしまった。キャンプでも練習をしない。巨人はもはや子どもに応援をさせるべき教育文化的な存在ではない。むしろPTAがその俗悪さを告発すべき対象である。川上哲治が監督をしていた頃の黄金時代の「球界の紳士」の姿は何処にもない。現在はその組織の構造的な歪みがチームの弱体として表出する末期的な段階に至っている。考えてみれば、小久保裕紀もタフィー・ローズも不憫な男たちであり、本当なら二人とも古巣で活躍していてよい花形選手だったのである。巨人をここまで堕落弱体化させた責任者を一人挙げるとすれば渡辺恒雄である。そしてもう一人挙げるとすれば、やはり長島茂雄だろう。この二人の思想や遺産と決別絶縁して、新しく生まれ変わらなければいけない。解体と刷新が必要な時期である。

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by thessalonike | 2005-05-09 23:20 | 読売巨人軍考 (7)   INDEX  
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