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日韓首脳会談の前哨戦 - 日本の欺瞞外交の清算を迫る韓国
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靖国参拝も協議と韓国外相 日韓首脳会談で

韓国の潘基文外交通商相は1日の定例会見で、20日にソウルで開かれる予定の日韓首脳会談について「靖国神社参拝問題が両国関係の重要な問題の1つであり(首脳会談で)協議があると期待する」と述べ、靖国問題で日本側の対応を促すことになるとの見通しを示した。外交通商相は「盧武鉉大統領が具体的にどのような要求をするのか、日本側がどのような立場を示すのかは予想できない」と指摘。青瓦台(大統領官邸)や韓国政府内で今後、日本側にどういった対応を求めるかを詰めていくとみられる。

(6月1日共同通信-ソウル)




b0018539_1248569.jpg先週のニュースの中で、この小さな記事が特に興味を惹いた。と言うのは、前に竹島問題の際に取り上げた町村答弁の問題と密接に関わっていると思われるからである。結論から言って、これは韓国側の戦略的なリークだ。首脳会談で靖国を議題にすること、靖国についての何らかの日韓合意を得ることについて、それを既成事実化するべく韓国通商外交部が攻勢をかけているのである。現在、首脳会談に向けて事務方がプレスリリースのステートメントを詰める作業が続いていて、日本側が靖国問題の議題化を嫌い、協議が難航しているのだ。逆に韓国側は今度の首脳会談で靖国問題を正面から取り上げて本格的に議論し、盧武鉉大統領が小泉首相に対して参拝中止を要請しようとしているのである。小泉首相がそれにどう対応するにせよ、韓国は参拝に反対である意思を明確に訴え、その理由と根拠を正しく説明する意向なのだ。すなわち靖国問題について日韓首脳会談で協議し要求したという交渉事実を正規に残そうとしているのである。

b0018539_12491436.jpgそれは前に述べたが、町村外相や小泉首相が、韓国側は過去二度も首脳会談をやりながらその席では靖国問題を言い出さず、突然急に問題視して日本を非難するのはおかしいという詭弁と詐術を弄してきたからであり、盧武鉉大統領としては、それならば今度こそはハッキリと靖国問題を首脳会談で議論して、韓国側の主張を正しく外交記録に残そうじゃないかと腹を固めているのである。大統領府は今回は絶対に妥協しないだろう。町村信孝の「せっかく両国首脳が一晩かけてゆっくり話をする場があったのに、こういう靖国問題の提起は私の記憶ではなかった。そういう意味で大変残念だった」という欺瞞と詭計の発言に対して、盧武鉉は腸(はらわた)の煮えくり返る思いだったに違いない。靖国問題を首脳会談の議題から避けたのは、日本側の要請に応えた韓国側の配慮であり、未来志向の基調演出を崩さないための挺身の妥協だったのである。にもかかわらず、恩を仇で返すような町村外相と小泉首相の答弁や態度に対して大統領府は激怒したのだ。

b0018539_12492979.jpgこれは韓国に対する侮辱であり、看過することのできない愚弄である。そもそも人権派弁護士の盧武鉉は、出自にせよ思想にせよ、そうした虚飾の政治演技を好む政治家ではない。真に迫った議論と説得こそが本来の持ち味である。一方で日本の外務省は、極端なほど中身のない空疎な貴族外交芝居ばかりを得意とする体質に染まっている。毎度パフォーマンスと演出ばかり。まるで李朝や清朝の外交を見ているようだ。橋本龍太郎が伊豆川奈で太鼓を敲いてエリツインを接待して以来、指宿温泉で盧武鉉に砂風呂混浴のツーショットを持ちかけて拒絶された昨年の日韓首脳会談まで、愚の骨頂のバブル友好芝居外交が延々と続いた。表面で体裁を繕って調子を合わせる演技をしつつ、会談が終わればステートメントを忘れたように首相や閣僚が意図的に挑発的な言辞を漏らして外国との関係を悪くする。小泉政権の欺瞞に満ちた浮薄な二重外交に中国も韓国も我慢の限界を超えたのであり、欺瞞外交の揚棄と清算を迫っているのである。

b0018539_1249415.jpg首脳会談のプレスリリースはまだ固まっていないのだろう。まさかキャンセルはあるまいが、今度も波乱の予感がする。裏方が共同発表文を玉虫色に染める努力は、一歩間違って破綻したときが悲惨である。安倍晋三はこの首脳会談を何とか決裂対立の方向へ導きたいだろうし、韓国側の「傲慢」やら「高圧的」やら「居丈高」を印象づけるニュース映像にして日本の反韓世論を煽る材料にしようと虎視眈々としているだろう。首脳会談での靖国問題の扱いがどうなるか、世界が固唾をのんで見守ることになる。国連安保理をめぐる外交戦の情勢は、現在は韓国に圧倒的に有利な状況で、韓国としては歴史問題を日本と交渉する機会として最高の環境が整った。この機会に前進がなければ、現在よりさらに日韓関係を悪化させたまま8月15日を迎えることになる。日本政府が国連常任理事国入りを諦めず、情勢を挽回して目標の果実を得るためには、大胆な姿勢転換を見せることが必要であり、具体的には首相任期中の靖国参拝をやめる決断を内外に発表する以外になくなった。

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by thessalonike | 2005-06-07 23:30 | 竹島問題・日韓関係 (8)   INDEX  
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