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解散を不可能にした都議選結果 - 小泉政治の終わりの始まり
b0018539_9523531.jpg4日の朝日新聞を開いて読んだところ、都議選関連の記事が六面を割いて大きく報道されていたが、不思議なことに選挙結果が郵政民営化法案の衆院採決に及ぼす影響について論じた記事が一つも無かった。朝日新聞の見出しは、「民主伸張、自民は後退」になっている。社会面の見出しは「風消え自民キツかった」。大見出しは選挙結果を一言であらわすその言葉でよいが、私が記者なら小見出しのところか、あるいは小見出しに続く要約記事のところに「衆院解散は困難な情勢に」の一言を入れる。それが新聞記者というものだ。今回の都議選についての一般国民の関心はその点に関わってのみあったはずである。自民党の勝利が明確であれば小泉首相の郵政法案に対する強気に追い風となり、造反議員への圧力となって本会議での票の動きが政権与党側に優勢になる。逆に自民党が敗北すれば小泉首相に逆風となり、解散がしづらくなって郵政民営化反対派議員を勢いづかせる情勢となる。都議選の結果を総括する新聞記事は郵政民営化法案への影響に触れなければならなかった。



b0018539_9525567.jpg今回の結果は誰が見ても民主党と公明党の勝利であることは明らかだが、自民党の敗北であったことについては見えにくくなっている。22議席を35議席に伸ばした民主党の大勝利は間違いないが、自民党も48議席で、前回53議席をわずか5議席減らしたただけで止まっており、第一党の地位は揺るぎなく、一見して敗北とは言いにくいのかも知れない。読売新聞は「自民後退」とは言わず、むしろ第一党維持の方を強調している。だが、記憶に新しいところで、四月に行われた福岡と宮城の補欠選挙では二議席とも自民が圧勝していて、小泉政権への国民の支持はなお磐石であるかのように見えていた。今回の都議選の事前予想では、民主党が議席を伸ばすことは誰もが確言していたが、自民党が議席を減らすと予想した者はいなかった。一昨年の総選挙や昨年の参院選と同様に、議席を減らすのは共産党で、共産党の減少分を民主党が積み増しするだろうと見る予測が大半であった。風向きが少し変わったようである。選挙結果は国民の小泉離れを決定的に示しているのではないか。

b0018539_953587.jpg今、解散すれば間違いなく自民党は敗北する。都議選で微妙に生じた風向きの変化が、総選挙では突風となって自民党に逆風に吹くだろう。普通に考えれば、郵政民営化を支持しているのは大都市の住民である。地方の住民には拒絶反応が強い。郵政民営化を争点にした選挙を断行した場合、都市よりも地方の選挙区の自民候補が苦戦を強いられる。これは当然の話だ。となると、都議選でも勝てない小泉自民党がどうやって総選挙で勝てるという方程式が成立するのか。この選挙結果は党執行部には相当に衝撃の事態だろう。本会議採決が明日5日に迫っているから弱気は絶対に見せられないものの、解散して選挙に出れば負けるのではないかという不安は誰にでも立つ。解散は難しい。造反議員への党議拘束を押し通して処分することはできない。残された時間は二日間しかなく、委員会採決と本会議採決はそのまま行われる。反対派と執行部の間で妥協策を協議する時間的余裕はなく、決戦はもはや避けられない。日和見を決めていた半造反派は安んじて反対に踏み切ることができる。

b0018539_9531738.jpg国民にとって関心事でも何でもない郵政民営化で総選挙が行われるのはバカバカしい話だが、小泉政権に対して不信任を突きつける機会に恵まれたと考えれば天佑である。近隣諸国との友好関係を破壊して国益を損ねている小泉右翼政権にはそろそろ退陣をしてもらわなければならないし、竹中平蔵にこれ以上経済政策の舵取りを任せていれば、国民の資産は全て外資に強奪され、景気回復はないまま失業率は二桁の大台に乗ってしまう。政策の転換が必要な時期であり、政権が変わらなければならない。衆院解散は瓢箪から駒で、国民にとっては小泉首相の「改革」の欺瞞的洗脳から覚醒すべき時である。小泉政権が誕生した四年前より生活がよくなった家庭はあるのか。小泉政権の「改革」が始まった四年前より社員の給料が増えた企業はあるのか。リストラは減ったのか。小泉純一郎にあと一年間「改革」をやらせれば家計はよくなるのか、それともさらに悪くなるのか。小泉純一郎の改革幻想に騙された国民が己の不覚を反省するにはよい時期である。造反組は衆院を解散させればよい。

b0018539_9533154.jpg政局は歓迎だ。小泉自民党に敗北を与え、民主党が単独過半数の第一党になって政権を奪るか、あるいは公明党と連立政権を組めばよい。本来、ケインズ的な福祉経済政策を掲げる公明党は、小泉政権の原理主義的な新自由主義とは根本的に立場を異にする。外交政策でははるかに民主党の方に近い。自民党が小泉人気で圧倒的な第一党であったから連立を組んでいただけで、公明党は誰とでも連立を組み直せるし、第一党は公明党の協力を必要とするし、公明党は政権に就くためには第一党と組まなければならない。公明党は何でもする。選挙をやれば小泉純一郎には風は吹かない。国民はもう飽き始めていて、あと一年しか残ってない小泉政権に一票は入れない。改革幻想の夢の続きを見るのなら、自民党のポスト小泉の誰か(麻生・高村・福田)ではなく、若くてルックスのいい岡田克也の方がバーチャル・リアリティが上というものだろう。任期を考えれば解散はなく、解散をするのなら任期延長が浮上する。党内は動揺し、動揺は派閥の再編に繋がる。都議選の結果を一言で言えば、小泉政治の終わりの始まりだ。
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by thessalonike | 2005-07-04 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
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