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参院での採決は不可能 - 失業者を量産するだけの郵政民営化
b0018539_9272622.jpg僅差五票の可決劇は都議選に続く「小泉政治の終わりの始まり」の第二幕である。一昨日夜の時点でのテレビの報道番組では、執行部の締めつけが奏功して造反者はニ○名程度に止まるだろうという予測が殆どだった。私は都議選の分析を書き終えた後だったので、『TVタックル』の三宅久之の発言を含めて、マスコミの政治解説があまりに杜撰で状況を正確に理解していないのに呆れていたが、蓋を開けてみれば、やはり造反者は五○名を越える多さだった。採決の後に小林興起が勝利感に溢れて声を弾ませていたように、あと三人造反していれば法案は否決されていたのである。いま最も後悔しているのは、橋本派の中で造反に踏み切れなかった当選回数の少ない若手だろう。執行部の脅しに屈して白票を投じてしまったが、法案は成立するかどうかも怪しく、次の選挙では「裏切り者」として特定郵便局長会の支持を得られない。今回は青票を投じた者の勝ちなのだ。野田聖子が語ったとおりで、「たとえ党の方針でも投票していただいた国民の方を不幸にする選択はできなかった」という判断が正しい判断なのである。



b0018539_9274690.jpg私が予想したとおり、執行部は造反議員に対して何の制裁処分も下さなかった。副大臣と政務官四名の罷免のみである。法案が否決されても小泉首相は解散の断行はできなかった。郵政民営化を争点にした選挙をやれば、小泉自民党は敗北するからだ。小泉人気に陰りが出ている現在、党執行部は総選挙に打って出る勇気はない。そう判断できた者の勝ちなのだ。基本的に自民党の選挙区議員は郵便局長会の支援を受けて当選している。郵政民営化に頭から賛成の人間は少数だろう。であれば、自己の信念に従い、支持者の利益を守るために青票を投じてよかったのである。白票を投じた橋本派議員はバカである。次の選挙で貰えるはずの票を失った。公明党だって本心は郵政民営化に賛成ではなく、選挙で支援しないという脅しは単にその場凌ぎの話であって、いざ選挙となればそのときの状況次第でどうにでも転ぶのである。逆に青票を投じた自民党議員は、公明党を怖がらないぞという態度を示したことで、選挙区の自民党支持者に対して大いにアピールしたことだろう。株が上がったはずだ。

b0018539_9275886.jpg参院でこのまま法案が可決成立するとは思えない。議員会長の青木幹雄は郵政民営化に本来的に反対で、片山虎之助と共に竹中平蔵と抗って法案の骨抜きに尽力してきた男である。その片山参院幹事長は新聞記者とのインタビューで、参院での法案の追加修正はしないと言い、審議を慎重にやると言っている。これはどういうことかと言うと、参院の委員会審議で竹中平蔵を何度も立ち往生させ、民主党と謀って不信任決議に持ち込み、竹中平蔵の首を取って、法案は継続審議にするという基本戦略なのだろう。参院で採決をやれば衆院の二の舞になる。造反者が出て法案否決の事態になるだけでなく、参院執行部の指導体制崩壊の危機に直面する。青木幹雄と片山虎之助は採決をしたくない。今後の参院の政局は、郵政民営化法案そのものよりも、竹中平蔵の不信任の方に焦点が合わされて行くだろう。竹中平蔵の首を取り、来年度予算編成の主導権を竹中平蔵から奪還して、ポスト小泉で参院側の権力を及ぼす方向に舵取りする。そして秋の臨時国会で片山虎之助製の(超骨抜き)郵政法案を成立させる。

b0018539_9281032.jpg小泉政権の側の巻き返しはマスコミを使った改革キャンペーンしかなく、松原聡や猪瀬直樹をフルに動員して世論操作を図るのだろうが、ひとつ注目すべき情勢として、これまで郵政民営化賛成で宣伝工作の先頭に立って旗を振ってきたテレビ朝日に少し変化の様子が見受けられる。郵政改革よりもポスト小泉の方に関心が向いてきたことだ。解散させて民主党を政権に就ける好機だと考え始めている。国会の会期末はちょうど靖国神社参拝問題の政局とも重なる。朝日新聞はもう小泉首相では外交は駄目だと匙を投げているし、読売新聞までが対中関係改善のポスト小泉を模索し始めている。懼く、今週末にアンケート調査が実施されて、郵政民営化について急ぐべきか慎重にすべきかという数字が出されるだろう。これまで民営化を急いで断行しろと喚いていたテレビ朝日などのマスコミが、民営化はもっと慎重にという基調に変わるに違いない。野田聖子の主張が完全に正しいのである。一般の国民、特に地方に住む国民にとって、小泉純一郎と竹中平蔵と猪瀬直樹の郵政民営化は不幸でしかないのだ。

b0018539_9281954.jpg猪瀬直樹は先週末の『報道ステーション』に出演して、「郵便局の人間でも民営化に賛成の人間は大勢いる。だって自分がやった分売り上げが上がって実力が評価されるんだから」と言った。全くの嘘である。郵便局で従業している人間は上から下まで民営化に反対だろう。三八万人の人間が安定した公務員職の地位を奪われてしまうのである。リストラの災難に直面している民間のサラリーマンからすれば、確かに世襲公務員である特定郵便局長などは不愉快で忌々しい存在に違いない。だが、これが民営化されれば、現在三ニ○万人の日本の失業者はさらに数十万人の規模で数が増えるのは間違いない。数十万世帯、数百万人の日本人が不幸になる。失業者が増えれば、さらに景気が悪くなり、失業者が職にありつく機会が減る。三洋電機や松下電器の万単位のリストラが報道されている中で、さらに何十万人もの人間を失業者の群れに落とし込む郵政民営化に、同じリストラ禍に喘いでいるはずの民間の人間がどうして賛同できるのか。小泉純一郎と竹中平蔵の「改革」は、弱者を不幸にすることだけではないか。

猪瀬直樹や松原聡の「改革」プロパガンダに騙されてはいけない。
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by thessalonike | 2005-07-05 23:30 | 郵政政局 ・ ポスト小泉 (10)   INDEX  
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