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なぜ巨人戦中継は面白くないのか - ドラマとスピードの欠如
b0018539_21371373.jpg巨人戦のナイター中継の視聴率が6%を切ったという報道があって驚いている。こんな時代が来るとは思わなかった。現在のプロ野球の球団の中では明らかに阪神の人気が図抜けている。観客動員数でも巨人を上回るだろう。NHKで世界遺産の番組があるとき以外は他に見るものもないので巨人戦の野球放送を見ているが、確かに面白くない。私はアンチ巨人の視聴者立場なので、巨人が負ければ面白いはずなのだが、特に昨年から今年にかけては一向に興奮や感動を覚えないのである。具体的に理由を挙げてみよう。重要な問題だと思われるが、巨人の野球には攻撃面でのスリルがない。緊迫したドラマの展開がないのだ。長距離砲が順番に出てきて打席で打つだけ。出塁しても盗塁の場面がない。ヒットエンドランがない。ベンチワークの要素が何もない。野球の攻撃の楽しみがないのだ。攻撃に厚みがない。足のある選手がいないので攻撃の展開が淡白になる。これは巨人の弱さの原因であるとともに視聴者にとっての魅力のなさである。



b0018539_21372939.jpg同じ問題だが、巨人の守備と攻撃にはスピードがない。攻撃の場面でベースランニングを見て楽しむことができない。清原和博やローズの打撃を見ていると、打球が外野手の頭の上を越えてフェンスに達した場合でも、一塁で走るのを止めてしまっている。昔の牧野茂のV9時代のイメージからは想像もできないような緩慢な走塁で平然としている。次塁を奪いに行かないからベース上でのクロスプレーが少ない。二塁走者がワンヒットで本塁にスライディングして一点という場面を見ることが殆どない。足に自信のない選手ばかりだから三塁で止めている。長打が長打にならず、得点圏が得点圏にならない。ベンチは何も考えていないし、機動作戦を試みる条件がそもそも存在していない。「史上最強」を自慢する打線は、テイク・ワン・ベースの野球の醍醐味を堪能したい観客にとっては、限りなく魅力のないプアな打線なのである。阪神の赤星とか、ロッテの西岡とか、スピードのある選手が走塁のパフォーマンスを演じてこそ野球は楽しいのだ。

b0018539_21375227.jpg足と肩、そして闘志とインサイドワーク。野球選手が見せなければならない要素はそれらである。巨人における闘志とインサイドワークの欠如は守備の面でも特に顕著である。外野手は言うに及ばず、二塁手の仁志敏久と遊撃手のニ岡智宏に怠慢守備が目立つ。二人とも覇気がなく、打球に飛びついて行かない。何でもない簡単なミスをする。才能はあるのに意欲がないのが傍目にもよくわかる。不満と鬱屈が多いのだろう。自由気儘にプレーしているのは清原和博だが、その奔放さの実体は、野球選手が試合出場していると言うよりも、お笑いタレントがテレビ番組で毎度の得意芸を披露しているように見える。清原和博をキーにしてコンテンツが構成され稼動している。キャラとしての清原和博がこの時間帯の番組の主人公なのだ。清原和博のスローなペースとヘビーなスタイルに合わせて巨人軍が試合を動かしている。だから雰囲気がモッサリとしてダラけているように感じられるのだ。プロ野球本来の一瞬の気迫や緊張感が欠落しているのである。

b0018539_213872.jpgインサイドワークの欠如はバッテリーの間でも明白で、巨人の投球場面を見ていても全くバッテリーの概念やらリードの要素が感じられない。阿部慎之助のリードの問題については一部スポーツ新聞の記事で酷評されていたが、上原浩治と工藤公康については完全に投手に任せきりで、他の投手については十分にリードをしていない。古田敦也と野村克也のID野球はバッテリーリードのイデアルティプスだが、あそこまで完璧なものでなくても、普通はバッテリーコーチと捕手が相手打者の情報分析と自軍投手のコンディションに応じて様々な作戦と配球を工夫するものである。そこにバッテリーのチャレンジとドラマがある。視聴者にとってのストーリーとエンターテインメントがある。古田敦也はそれを説得的に我々に見せてくれる。攻めの理論と組立がある。阿部慎之助と巨人のバッテリーにはドラマとインテリジェンスがない。だから味気なく面白くなくつまらないのだ。今の巨人は相手チームの打線研究とか情報分析はしているのだろうか。

b0018539_2138348.jpgスチールがない、エンドランがない、ベースランニングがない、リードがない。野球の魅力となる大切な要素が何もない。スピードがない、スリルがない、インテリジェンスがない、ストーリーがない。野球をドラマにする基本の要素が悉く欠如している。イマジネーションを刺激するものが一切無い。だから巨人の試合は面白くないのだ。さらに加えて、中継を視聴者に解説報道するキャスターがヘボばかりだ。中畑清と篠塚和典は単なるOB観戦者で野球試合の解説をしていない。解説能力がない。吉村禎章の話は下手糞で耳障りで聞いていられない。テレビ朝日の東尾修や村田真一は、何を言っているのか言葉が聞き取れない。視聴者無視の身勝手な解説を漫然とやっている。まともに耳を預けられるのは、私の場合は江川卓の解説だけだ。コンテンツが貧困な上に付加価値部分が滅茶苦茶だから巨人戦中継は楽しいスポーツショーにならない。本当ならプロ野球中継の解説者は、野崎靖博とか二宮清純とか野村克也のようなプロが担当するべきなのだ。

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by thessalonike | 2005-07-15 22:39 | 読売巨人軍考 (7)   INDEX  
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