カテゴリ:『グッドラック』 (5)( 5 )
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『Good Luck』(1) - 童話本の外装をしたビジネス哲学書
b0018539_16354223.jpg近所の本屋で平積みされていたので買って来た。値段が安かったこと、装丁が美しかったこと、薄くてすぐに読めそうだったこと、そして何より出版社がポプラ社だったことが衝動買いした理由である。ネットで見てみると、紀伊国屋書店で総合8位、旭屋書店で総合9位、ジュンク堂書店で総合15位、TSUTAYAで文芸部門4位にランキングされている。この本は小学生の子を持った母親が子供と一緒に読む本だ。だから郊外の住宅地の本屋で売られている。が、ネットの書評などを一瞥して気がつくように、決して単純な童話本ではないし、子供向けの道徳書でもない。「成功哲学」などとジャンルをカテゴライズしているところもある。ビジネスの哲学の本であり、大人が読んで味わうことのできる本だ。が、単にビジネスマンに限らず、男でも女でも、若年でも高齢者でも読んで共感を覚えられる本である。

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by thessalonike | 2004-10-19 23:30 | 『グッドラック』 (5)   INDEX  
『Good Luck』(2) - ダニエル・デフォーのロビンソン物語
b0018539_16102068.jpg前回、この小作にはひょっとして「ロビンソン・クルーソー」の現代版が意図されているのではないかという感想を書いてみた。『ロビンソン漂流記』は有名な児童書の古典なのだが、作者のダニエル・デフォーは児童作家ではなく17世紀の英国の経済学者であり、大学で比較経済史なり西洋経済史なりの講義を受けた際に、必ずデフォーの学説とロビンソン・クルーソー物語の意味が説明される。言うまでもなく、デフォーのこの物語を経済史学に導入して論じたのは大塚久雄であり、大塚久雄のデフォーモデル論は日本の社会科学における基礎理論中の基礎理論として知らない者はいない。経済学部とか法学部に入学した者は、耳にタコができるほど経済人ホモエコノミクスの人間類型について聴かされた経験を持っているはずだ。

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by thessalonike | 2004-10-18 23:30 | 『グッドラック』 (5)   INDEX  
『Good Luck』(3) - ベンジャミン・フランクリンの訓戒集
b0018539_1602846.jpg『グッドラック』は寓話で表現された幸運論なのだけれど、説かれている中身は決して観念的な幸福論ではない。宗教が語るような「頭の切り替え」とか「気持ちの持ち方」を要請する幸福論や人生論ではなく、現実的で経済的な成功法則論である。実践的でシンプルな生活倫理と経営倫理の啓発が『グッドラック』のメッセージだ。前回、作品の背後にダニエル・デフォーの『ロビンソン漂流記』が見え隠れしている点を指摘した。作者の企図は現代版「ロビンソン・クルーソー物語」にあるのではというのが私の見方だが、『グッドラック』のメッセージは読者に対してさらにダイレクトであり、物語を読ませて裏の寓意を考えさせるというスタイルではなく、いきなり各章の終わりに総括として教訓の言葉が書き並べられている。この教訓カタログが『グッドラック』を文学の本ではなく経営の本にしているとも言える。

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by thessalonike | 2004-09-28 23:30 | 『グッドラック』 (5)   INDEX  
『Good Luck』(4) - ポプラ社と「資本主義の精神」
b0018539_15531592.jpg『グッドラック』が各書店での週間売上で、『ダ・ヴィンチ・コード』と『アフターダーク』を抜いて最上位にランキングされている。この本についての批評は、私は最初の回で集約して書いたから特に追加することはないが、時間が経つほどに、本の中身のよさの印象よりも、この本をめぐる事件性と言うか、問題性の方に関心が傾いてくる。そしてそれは、私においてはある種の懐疑あるいは当惑として、この本全体の評価をプラスではなくマイナスに位置づけるべく作用してしまう。最も大きな問題はポプラ社というブランドという問題と、そして資本主義という問題だ。この辺りをどう説明すればよいか。説明のために多くの言葉が要る。私の当惑は、ポプラ社の内部の人間なら簡単に理解できるだろうし、業界で長く仕事している者なら、同じ意外な気持ちで今回の「事件」を眺めているに違いない。フィリップ・コトラーが絶賛している。これはまだよい。だがアイアコッカが激賞している。これは駄目だ。そんな本をポプラ社が出すべきじゃない。

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by thessalonike | 2004-09-27 23:30 | 『グッドラック』 (5)   INDEX  
『Good Luck』(5) - ポプラ社のブランドとカスタマ
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私も、最初に原稿に目を通した時から、単純でありながら実に奥が深いこの物語の虜になってしまい、同じように感銘を受けた社内の人間たちと「この本を一人でも多くの読者に届けるために、できることはなんでもしよう!」を合い言葉に、さまざまな試みをしながら本づくりに取り組んできました。(中略) 「児童書のポプラ社」という看板でやってきたポプラ社に「第三編集部」という一般書の部署ができて丸4年。この歴史は、第三編集部発足と同時に入社した私の歴史でもあります。とにかくなんでもアリ、編集者の惚れ込み度の針が思いきり振れていれば大抵の企画が通る、という無茶で幸せな職場ですが、「大人も子どもも楽しめる」「本好きでなくても読める」「読んで元気になれる」というポプラ社だからこそのコンセプトは大切にしたいな、と思ってきました。そんな中で生まれたこの『Good Luck』は、まさにポプラ社第三編集部らしい、胸をはって売りまくりたい一冊です。お力を貸してくださったたくさんの方への感謝も込めて、これからしばらくのあいだ、突っ走らせていただきます。


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by thessalonike | 2004-09-25 23:30 | 『グッドラック』 (5)   INDEX  
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