<   2005年 08月 ( 26 )   > この月の画像一覧
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公示日の朝の小さな出来事 - 大津事件と畠山勇子の死
b0018539_12421371.jpg明治24年5月20日、畠山勇子が京都府庁前で喉を突いて自殺した。その十日前に来日中のニコライ皇太子が暴漢に襲われて重傷を負うといういわゆる大津事件が起き、日本中が騒然とする中、一命を捧げてロシアに詫びるとして東京から汽車で下り、露国宛てと政府宛ての嘆願書二通を府庁に投じてその場で果てた。25歳。日清戦争の三年前、まだ日本は維新から間もない極東の弱小国で、この事件を口実に大国ロシアに宣戦布告でもされたら国家の滅亡が必至の時期だった。畠山勇子はロシアに日本を許してくれるよう嘆願して命を引き換えにする義挙に及んだのである。司馬先生が何かの本で大津事件と畠山勇子について紹介していた記憶があるが、何の本だったか忘れてしまった。義挙は暴挙でもあり、見方はどの時代でも分かれるのだろうが、司馬先生の書き方は畠山勇子の行動に対して同情に溢れていた。そこに司馬先生の好きな明治の精神のかたちを見たからだろう。

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by thessalonike | 2005-08-31 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
郵政民営化とは本当は何なのか - 公社分割と株式売却の中身
b0018539_12161220.jpg公示日を迎えて選挙戦は事実上終盤に入ったが、マスコミの調査報道では相変わらず小泉自民党の支持率が高止まりしたままの情勢が伝えられている。マスコミ報道で見る限り、「郵政民営化」は賛成論が圧倒的な世論となって反対論は異端として縮小する一方のように映るが、ネットの中では賛成論と反対論がそれなりに拮抗して議論されているようにも見える。私の印象だが、懼く8月8日の小泉解散演説を聴いて郵政民営化賛成の立場に身を置いた者でも、それが「改革」の経済政策としてなぜ妥当で有効なのかについて得心できる中身が埋められてないのだろう。一方で反対論の外資買収説の説得力もそれなりにあり、すなわち自分で理論的納得の均衡を図り、「小泉支持」の立場的正当性を自己確信するべく、ネットを検索して中身のある賛成論と反対論をサーベイし、ベリファイしているように見える。賛成派の人間でも、実のところ「郵政民営化」が本当に何なのかは正体が見えておらず、訝る気持ちは消えてないのだ。

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by thessalonike | 2005-08-30 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
マニフェストは商品仕様書ではない - 「白紙委任」こそ選挙の真実
b0018539_1143585.jpg政党のマニフェストを商品の仕様書や見積書のように言う議論は本当は間違っている。そのような言説は国民を政治への理解にではなく誤解に招くもので、最終的には「裏切られた」という政治不信に導くものである。カタログは現在ある商品の機能や効能を説明するものだが、マニフェストは将来を約束するものだ。これから四年間の将来には様々な予期せぬ事態が起こり得る。東京で大地震が発生するかも知れないし、中台の間で戦争が勃発するかも知れない。国内でテロが起きるかも知れない。ドルとNY株式が大暴落するかも知れないし、あるいは中国経済のバブルが崩壊するかも知れない。全て予測は不可能である。予測は不可能だが、そうした不測の事態の出現は間違いなく日本の経済や財政を直撃するし、日本の安全保障上の運命を決定する政策判断に直結する。マニフェストにはそのような環境変動の要素は何も記載されていないのだ。現時点の環境がそのまま続くことが前提である。

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by thessalonike | 2005-08-29 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
世に棲む日日
b0018539_15282454.jpgブログ名の「世に倦む日日」は、司馬遼太郎先生の有名な歴史小説の題名から頂戴したものである。「棲」と「倦」の字形が似ていて、これは長年懐で温めてきたところの、誰にも先を越されたくない - 我ながら絶妙の - コピーアイディアであり、HPかBlogの標題を新規に掲げるときは必ずこれにしようと心に決めていた。小説をまだお読みになられていない方がおられれば、この機会にぜひご一読されたい。小説は二人の革命家の物語である。一人は29歳で死に、もう一人は27歳で死んだ。二人がいなければ明治維新はなかったと思うが、二人とも維新の日を見ることなく非業に斃れた。27歳と29歳である。日本史の教科書に名前が載って、後からの業績めいたものが簡単に付言されて歴史の偉人になってしまうと、その人物のリアリティが見えなくなる。渋谷の街を歩いている同じ年頃の男の子たちを思って欲しい。特に松陰は日本思想史の巨星であり、学問研究され続けるテキストであり、松蔭神社の神様であり、その若さが実感されることがあまりない。

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by thessalonike | 2005-08-27 23:56 | プロフィール ・ その他   INDEX  
マニフェスト論への審察 - 選択行動の真実と「政策」の概念操作
b0018539_1158158.jpg一昨日、24日夜の『ニュース23』に北川正恭が生出演して筑紫哲也とマニフェストの話をしていた。その場で北川正恭も誉めていたが、議論の前に流された下村健一のショートクリップの出来がよく、他の報道番組のマニフェスト報道とは一味も二味も違う内容の濃い報道になっていた。北川正恭のマニフェスト論は一般論として分かりやすいし、よく納得できるものである。中心的なメッセージは二つあった。第一に有権者が政党のマニフェストを評価するにあたっては、今回の選挙で上げられた公約リストを評価するのではなく、まず前回のマニフェストが公約どおりに実行されたかを確認し採点することが先決であるということ。そして第二に、本来のマニフェストは、現在のような単に公約をカタログ的に羅列する形式ではなく、最初にどういう国を目指すかというビジョンがあって、そのビジョンに従って実行する政策に重要度と優先度がつけられ、個別政策の公約に期限と数値目標が付加されなければならないという主張である。

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by thessalonike | 2005-08-26 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
新自由主義の「小さな政府」は古代奴隷社会への退行原理である
b0018539_1211599.jpg竹中平蔵の「小さな政府」論を批判した稿の中で、新自由主義者の「小さな政府」への原理主義的志向は、実のところ古代奴隷制への回帰だと論じたことがある。その主張の中身を少しだけ埋めたい。最近は経済学の本や論文を全く読まなくなった。野口悠紀雄や田中直毅の頃はそれなりに読んでいた。最後は金子勝のセーフティネット論とクルーグマンの「流動性の罠」を表面だけ斜め読みして、そこから先は経済学の話が全く面白くなくなって読まなくなった。世の中を「勝ち組」と「負け組」に分ける経済理論には私は興味と興奮を覚えない。「勝ち組」と「負け組」の存在を社会的に前提した経済理論は読む気がしない。だから森永卓郎も読まない。私が読みたいのは、昔の宮崎義一のような夢のある格調高いマクロ・エコノミーであり、市民社会を構成する中産的な生活者である市民が、日本経済を分析したり構想する上で有意味な思考材料を提供する社会科学である。最近はそういうものが無くなった。日本から経済学が消えたと言ってもいい。理論らしい理論はすべて米学で生産された英語のドキュメントであり、日本人がやるのは翻訳と口パクの無批判受容だけだ。

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by thessalonike | 2005-08-25 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
憲法問題も重要な争点である - 9条の会は何をやっているのか
b0018539_1236392.jpg今回の総選挙は郵政民営化を問う選挙であり、年金制度改革の方向性を問う選挙であると同時に、日本の外交と平和のあり方が決められる大事な選挙である。今後も日本が平和憲法を守って行くかどうかの分岐点である。この選挙で国民が小泉政権を信任すれば、小泉首相はまた嬉々として靖国神社への参拝を続ける。われわれはまたあの不快で憂鬱な靖国参拝の絵を見なければならず、マスコミの靖国報道(を偽装した靖国復権プロパガンダ)に毎日悩まされなければならない。選挙で小泉自民党が敗北してくれれば、靖国問題への不安は解消される。岡田克也であれ、誰であれ、新しい首相は靖国参拝を控えるだろう。小泉首相は靖国問題を選挙の争点にしないと言ったが、この春からの騒動を考えれば、これは郵政民営化などよりもずっと大きな国政上の問題だ。国会の中は郵政民営化で騒いでいたが、マスコミの報道も、国民の関心も、今年はずっと靖国問題を中心とする日中関係と日韓関係の問題で埋められていた。

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by thessalonike | 2005-08-24 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
収奪され生活を破壊される国民が小泉首相を支持するパラドックス
b0018539_14484.jpg他の番組では話にならないので、筑紫哲也の『ニュース23』を見ながら選挙報道を追いかけているが、昨夜の放送の中での筑紫哲也と田勢康弘とのやり取りが面白かった。選挙結果予想で自民党の地滑り的大勝を予想した田勢康弘が、ある経営者から自分のところに寄せられた手紙を紹介して、それによると、今回の小泉首相の政治手法を強権的とか変人などと呼ぶ見方があるが、会社の経営者であればあのリーダーシップが当然で、これまで政治の世界が会社と同じ常識や論理で動いて来なかったことが問題なのだと熱っぽく語っていて、その手紙を読んだ田勢康弘は今度の選挙での自民党の圧勝を確信したと言う。それを聞いた筑紫哲也が、確かに会社の経営者はそうした見方をするのかも知れないが、そういう経営者によってリストラされた人とか、リストラされる側で働いている人たちも有権者としているわけで、彼らは会社の経営者と同じ論理で政治を見て、同じ考え方で一票を入れるわけではないと反論していた。見事な切り返しだった。こういう知性と良識が知識人としての筑紫哲也を他と大きく隔てている。

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by thessalonike | 2005-08-23 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
ファシズムの中の総選挙 - TBSは朝鮮中央テレビと同じである
b0018539_11572390.jpg田中康夫の新党日本は、選挙の期間中にテレビ出演して小泉批判を訴える目的のテンポラリーなワンポイント政党だろう。選挙が終われば党解散、少なくとも田中康夫は代表を降りるだろう。こうでもしなければテレビでディストリビュートされる小泉批判のメッセージのシェアが絶無になる。田中康夫なら視聴者が注目するからテレビ出演が容易であるし、そこで小泉支持の郵政民営化賛成論者を論破する絵を見せることができる。小林興起よりも人気があるし、弁舌に説得力がある。作戦として郵政民営化反対を掲げず、小泉批判を正面に据えた。言っている事を聞くと、中身は民主党の主張と同じであり、荒井広幸的な明確な郵政民営化反対ではない。現在の世論情勢に配慮しているのだろう。裏で何があったのかは分からないが、刺客作戦に堀江騒動が加わって完全に郵政民営化選挙となり、小泉支持一色で固まったテレビ報道を牽制し、マスコミが醸成している自民党圧勝ムードに水を差すという点では多少の効果はあるだろう。

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by thessalonike | 2005-08-22 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅰ (15)   INDEX  
堀江貴文と小泉自民党の郵政WINWIN - 乙部綾子は何処に
b0018539_12314437.jpg尾道には市の中心から北へ三キロほど離れたところに山陽新幹線の新尾道駅がある。岡山からこだまに乗り換える必要があるが、岡山駅でのホームの移動も含めて、在来線を使うよりは一時間ほど早く到着することができる。東京から尾道へ行く場合は、通常は広島空港と山陽自動車道を使う。地図を見るとわかるが、空港から尾道までの距離は、空港から広島市街までの距離よりも近い。宮沢喜一と亀井静香があんな東寄りの場所に作っちゃった。昔の広島空港は市の中心から近くて便利だったが、今の空港は遠くて不便に感じる。堀江貴文が昨夜の午後8時にJR尾道駅に降りたとき、駅前には百人の報道陣と数百人の地元市民が群がって待ち受け、堀江貴文が群集にもみくちゃにされる場面が夜のニュースで流された。あれは当然ながら小泉首相が仕組んだ演出政治の一環である。新尾道駅は郊外にあるから、あれほど大勢の野次馬を集められない。堀江貴文は車を駅前のロータリーに着けず、わざわざ五十メートル先の車道まで歩いて、群集にもみくちゃにされる映像を撮らせた。

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by thessalonike | 2005-08-20 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅰ (15)   INDEX  
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