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公示日の朝の小さな出来事 - 大津事件と畠山勇子の死
公示日の朝の小さな出来事 - 大津事件と畠山勇子の死_b0018539_12421371.jpg明治24年5月20日、畠山勇子が京都府庁前で喉を突いて自殺した。その十日前に来日中のニコライ皇太子が暴漢に襲われて重傷を負うといういわゆる大津事件が起き、日本中が騒然とする中、一命を捧げてロシアに詫びるとして東京から汽車で下り、露国宛てと政府宛ての嘆願書二通を府庁に投じてその場で果てた。25歳。日清戦争の三年前、まだ日本は維新から間もない極東の弱小国で、この事件を口実に大国ロシアに宣戦布告でもされたら国家の滅亡が必至の時期だった。畠山勇子はロシアに日本を許してくれるよう嘆願して命を引き換えにする義挙に及んだのである。司馬先生が何かの本で大津事件と畠山勇子について紹介していた記憶があるが、何の本だったか忘れてしまった。義挙は暴挙でもあり、見方はどの時代でも分かれるのだろうが、司馬先生の書き方は畠山勇子の行動に対して同情に溢れていた。そこに司馬先生の好きな明治の精神のかたちを見たからだろう。

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# by thessalonike | 2005-08-31 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
郵政民営化とは本当は何なのか - 公社分割と株式売却の中身
郵政民営化とは本当は何なのか - 公社分割と株式売却の中身_b0018539_12161220.jpg公示日を迎えて選挙戦は事実上終盤に入ったが、マスコミの調査報道では相変わらず小泉自民党の支持率が高止まりしたままの情勢が伝えられている。マスコミ報道で見る限り、「郵政民営化」は賛成論が圧倒的な世論となって反対論は異端として縮小する一方のように映るが、ネットの中では賛成論と反対論がそれなりに拮抗して議論されているようにも見える。私の印象だが、懼く8月8日の小泉解散演説を聴いて郵政民営化賛成の立場に身を置いた者でも、それが「改革」の経済政策としてなぜ妥当で有効なのかについて得心できる中身が埋められてないのだろう。一方で反対論の外資買収説の説得力もそれなりにあり、すなわち自分で理論的納得の均衡を図り、「小泉支持」の立場的正当性を自己確信するべく、ネットを検索して中身のある賛成論と反対論をサーベイし、ベリファイしているように見える。賛成派の人間でも、実のところ「郵政民営化」が本当に何なのかは正体が見えておらず、訝る気持ちは消えてないのだ。

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# by thessalonike | 2005-08-30 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
マニフェストは商品仕様書ではない - 「白紙委任」こそ選挙の真実
マニフェストは商品仕様書ではない - 「白紙委任」こそ選挙の真実_b0018539_1143585.jpg政党のマニフェストを商品の仕様書や見積書のように言う議論は本当は間違っている。そのような言説は国民を政治への理解にではなく誤解に招くもので、最終的には「裏切られた」という政治不信に導くものである。カタログは現在ある商品の機能や効能を説明するものだが、マニフェストは将来を約束するものだ。これから四年間の将来には様々な予期せぬ事態が起こり得る。東京で大地震が発生するかも知れないし、中台の間で戦争が勃発するかも知れない。国内でテロが起きるかも知れない。ドルとNY株式が大暴落するかも知れないし、あるいは中国経済のバブルが崩壊するかも知れない。全て予測は不可能である。予測は不可能だが、そうした不測の事態の出現は間違いなく日本の経済や財政を直撃するし、日本の安全保障上の運命を決定する政策判断に直結する。マニフェストにはそのような環境変動の要素は何も記載されていないのだ。現時点の環境がそのまま続くことが前提である。

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# by thessalonike | 2005-08-29 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
世に棲む日日
世に棲む日日_b0018539_15282454.jpgブログ名の「世に倦む日日」は、司馬遼太郎先生の有名な歴史小説の題名から頂戴したものである。「棲」と「倦」の字形が似ていて、これは長年懐で温めてきたところの、誰にも先を越されたくない - 我ながら絶妙の - コピーアイディアであり、HPかBlogの標題を新規に掲げるときは必ずこれにしようと心に決めていた。小説をまだお読みになられていない方がおられれば、この機会にぜひご一読されたい。小説は二人の革命家の物語である。一人は29歳で死に、もう一人は27歳で死んだ。二人がいなければ明治維新はなかったと思うが、二人とも維新の日を見ることなく非業に斃れた。27歳と29歳である。日本史の教科書に名前が載って、後からの業績めいたものが簡単に付言されて歴史の偉人になってしまうと、その人物のリアリティが見えなくなる。渋谷の街を歩いている同じ年頃の男の子たちを思って欲しい。特に松陰は日本思想史の巨星であり、学問研究され続けるテキストであり、松蔭神社の神様であり、その若さが実感されることがあまりない。

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# by thessalonike | 2005-08-27 23:56 | プロフィール ・ その他   INDEX  
マニフェスト論への審察 - 選択行動の真実と「政策」の概念操作
マニフェスト論への審察 - 選択行動の真実と「政策」の概念操作_b0018539_1158158.jpg一昨日、24日夜の『ニュース23』に北川正恭が生出演して筑紫哲也とマニフェストの話をしていた。その場で北川正恭も誉めていたが、議論の前に流された下村健一のショートクリップの出来がよく、他の報道番組のマニフェスト報道とは一味も二味も違う内容の濃い報道になっていた。北川正恭のマニフェスト論は一般論として分かりやすいし、よく納得できるものである。中心的なメッセージは二つあった。第一に有権者が政党のマニフェストを評価するにあたっては、今回の選挙で上げられた公約リストを評価するのではなく、まず前回のマニフェストが公約どおりに実行されたかを確認し採点することが先決であるということ。そして第二に、本来のマニフェストは、現在のような単に公約をカタログ的に羅列する形式ではなく、最初にどういう国を目指すかというビジョンがあって、そのビジョンに従って実行する政策に重要度と優先度がつけられ、個別政策の公約に期限と数値目標が付加されなければならないという主張である。

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# by thessalonike | 2005-08-26 23:30 | 郵政民営化 ・ 総選挙 Ⅱ (15)   INDEX  
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